厚生労働行政推進調査事業費補助金(エイズ対策政策研究事業)
HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班

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HOME > HIV診療における外来チーム医療マニュアル > 第4章 チーム医療に役立つ資料集

資料6) 自立支援医療

自立支援医療とは

自立支援医療は、障害を持っている人が、その障害の程度を軽減したり、取り除いたり、進行を防ぐための治療に対して、医療費の自己負担を軽減する制度である。

従来、障害者のための医療費助成制度は、18歳未満の身体障害児のための『育成医療』、18歳以上の身体障害者のための『更生医療』、精神障害者のための『精神通院医療』がそれぞれ実施されていたが、平成18年4月に施行された障害者自立支援法により3つの制度が統合され、『自立支援医療』となっている。

なお、障害者自立支援法は、現時点(平成21年12月)において今後廃止となると見込まれており、それに伴い自立支援医療も内容が変更となる可能性がある。厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/index.shtml)やWAMNET(http://www.wam.go.jp/)などで最新情報を確認のうえ、利用をすすめるよう留意いただきたい。

HIV感染症で自立支援医療を利用する場合

身体障害者手帳(免疫機能障害)を所持している18歳以上の人が利用できる。ただし、18歳未満であれば、身体障害者手帳がなくても利用が可能である。対象となるのは、「抗HIV療法、免疫調節療法等、HIV感染に対する医療」に限られる。

合併症の予防とその治療を含むかどうかについては、身体障害者更生相談所(都道府県、政令指定都市)の判断にゆだねられている。見解がどうであるかは事前に確認を行い、場合によっては合併症の予防と治療の必要性を訴えていくことが大切である。

自己負担額

医療費は、原則として1割負担となる。世帯(本人と同一の健康保険に加入している人)の住民税額および所得状況に応じて、自己負担額の上限が決定される(表4-2参照)。

通常の場合、中間所得層以上に該当すると、医療保険の自己負担上限額までの負担があり、一定所得以上に該当すると制度の対象外となる。ただし、長期に渡って高額な治療が必要な疾患(表4-3参照)については、別途月額の自己負担が設定されている。HIV感染症は「重度かつ継続」に該当している。

表4-2 自立支援医療(重度かつ継続該当時)による自己負担額(平成21年11月現在)
世帯区分 区分の詳細 自己負担上限
生活保護世帯 ・生活保護世帯 0円
低所得1 ・市町村民税非課税世帯
・本人の前年度収入が年80万円以下
2,500円
低所得2 ・市町村民税非課税世帯
・本人の前年度収入が年80万円以上
5,000円
中間所得層1 ・市町村民税(所得割)の金額が、33,000円未満 5,000円
中間所得層2 ・市町村民税(所得割)の金額が、33,000円以上、23万5,000円未満 10,000円
一定所得以上 ・市町村民税(所得割)の金額が、23万5,000円以上 20,000円

障害者医療助成制度(86ページ、資料7参照)も利用が可能な場合、自治体によって制度を併用できる場合と、どちらか一方しか利用できない場合がある。

表4-3 重度かつ継続の範囲(平成21年11月現在)
更生・育成医療 腎臓機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害
精神通院医療 統合失調症、躁うつ病、うつ病、てんかん、精神物質作用による中毒精神病、認知証、知的障害など
更生・育成・精神 疾病等に関わらず、高額療養費の多数該当にあてはまる人
利用できる場所

自立支援医療は、受給者証に記載された医療機関でのみ利用できる。申請の際に、利用予定の医療機関、調剤薬局、訪問看護ステーション等を指定しておく。

また、医療機関、調剤薬局、訪問看護ステーション等についても、「指定自立支援医療機関」として都道府県から認可を受けている機関でなければ利用ができない。

申請

居住地の市区町村役場へ必要書類(本人の申請書、医師の意見書、健康保険証など、必要に応じて追加あり)を提出する。自治体によっては、指定医による意見書が必要なこともある。

申請中の医療費は、役所からは償還払いされないため、各医療機関で対応を工夫する。

自治体によって申請から交付決定までの時間や運用方法が異なる(85ページの「参考」参照)ため、利用前に治療開始予定と制度の申請時期について確認をしておく。

早急に治療開始が必要であるが、患者が経済的に困窮している場合には、自治体に対して医療の必要性を訴え、制度運用のあり方について検討を求めることも必要となる。

図4-5 自立支援医療申請の流れ
(自治体によっては、身体障害者手帳と同時に申請できる場合もある)

利用方法

受給者証に記載されている医療機関等の窓口で、自立支援医療受給者証と自己負担上限額管理表を提示する。支払いの際には、医療機関等の職員が「自己負担上限額管理票」に、支払った金額、日付、医療機関名などを記載する。原則として、医療費の自己負担が1割負担となり、自立支援医療受給者証に記載されている月額上限額まで自己負担がある。1ヶ月間に複数回受診があった場合、支払った医療費が月額自己負担上限額に達した以後は、請求されない。

参考:自治体による申請方法の違い

A県

身体障害者手帳と自立支援医療の申請が同時に可能。

診断書の日付にあわせ、数週間のさかのぼりをも認め自立支援医療を利用でき、自己負担が軽減される。

B県

身体障害者手帳と自立支援医療の申請が同時に可能。

ただし、当日までに電話連絡を行い、氏名・生年月日・住所を伝えておかなければ、診断書の日付にはさかのぼらず、役所窓口に申請書類が提出された日から自立支援医療の開始となる。

C県

自立支援医療は、身体障害者手帳が交付された後でなければ、申請を受け付けない。

身体障害者手帳の交付までに数日から数週間がかかるが、自立支援医療はその後の手続きとなる。

このような運用の場合には、前もって身体障害者手帳を取得しておかなければ、内服治療開始後、自立支援医療が適用されるまでの期間の自己負担が高額となる。

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