HOME > HIV診療における外来チーム医療マニュアル > 第2章 チームで支援するHIV外来診療
初診患者に対して、医療者は患者自身が自分の状態を把握できるように説明し、患者の理解を得ることが求められる。抗HIV療法は患者自身が主体的に服薬を行うことが重要である。100%近い服薬が治療成功の鍵である。もし、一度治療に失敗すると薬剤耐性ウィルスが出現し、その後の組み合わせの選択肢が狭まり、治療が困難になる。患者に治療前の説明を十分に行う必要がある。抗HIV療法開始前に患者の自己決定を尊重しながら十分に時間をかけて説明し、治療を開始することは、決して時間の無駄ではない。もし、十分に説明を理解できず、患者の自己決定がしっかりできていないと、中途半端に治療を開始したこととなり、その後十分な服薬率が保てずに治療に失敗してしまうと、その後の組み合わせの選択肢は狭まり、服用方法が難しくなるなど、患者に不利益な状況を招き、医療者も次の治療のためにさらに膨大な時間を要する結果となるからである。
治療継続においては患者自身をサポートしてくれる身近な理解者の存在は大きいので、サポート者を得られるように支援していく。
表2-6のようにチームでカンファレンスなどを通して、アセスメントとプランニングをして計画的に援助を提供していく。具体的な援助は以下(4)~(7)を参照。
図2-10
服薬阻害因子には、服薬タイミングの困難さや食事との関係、服薬を人に知られたくない気持ち、副作用、薬の管理方法、日常生活の中での服薬の困難さ等がある。良好なアドヒアランスを得るためには阻害因子を軽減する必要がある。現在の生活に服薬が組み込まれた場合、どの様な変化が起こるか。副作用が発現した場合、仕事など生活への影響が考えられるか。どの様に対応すればいいのか等、服薬を開始する前の情報提供は阻害因子の軽減に有効であり、良好なアドヒアランスを得るために重要である。