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| 商品名: | シーエルセントリ錠150mg |
|---|---|
| 一般名: | マラビロク錠 |
| 略称 : | MVC |
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抗ウイルス化学療法剤(CCR5阻害剤)
CELSENTRI Tablets 150mg
マラビロク錠
2013年1月改訂(第6版)
日本標準商品分類番号
87625
劇薬
処方せん医薬品:注意-医師等の処方せんにより使用すること
貯法:室温保存
使用期限:包装に表示
| 承認番号 | 22000AMX02448 |
|---|---|
| 薬価収載 | 2009年1月 |
| 販売開始 | 2009年1月 |
| 国際誕生 | 2007年8月 |
1錠中:
| 販売名 | シーエルセントリ錠150mg |
|---|---|
| 有効成分 | マラビロク(150.0mg) |
| 添加物 | 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、青色2号、大豆レシチン、マクロゴール、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、酸化チタン |
2.性状:
| 外形・大きさ(mm) | ![]() |
|---|---|
| 色/剤形/識別コード | 青色/フィルムコート錠/MVC 150 |
CCR5指向性HIV-1感染症
通常、成人にはマラビロクとして1回300mgを1日2回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬を併用し、併用薬に応じて適宜増減すること。本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
| 併用薬 | 本剤の用量 |
|---|---|
| 以下の強力なCYP3A阻害剤(CYP3A誘導剤の有無を問わない): • プロテアーゼ阻害剤(tipranavir/リトナビルを除く) • デラビルジン • イトラコナゾール、ケトコナゾール、クラリスロマイシン • その他の強力なCYP3A阻害剤(nefazodone、テリスロマイシン等) | 150mg 1日2回 |
| tipranavir/リトナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、あらゆるNRTI及びenfuvirtide等のその他の併用薬 | 300mg 1日2回 |
| 以下の強力なCYP3A誘導剤(強力なCYP3A阻害剤の併用なし): • エファビレンツ、エトラビリン • リファンピシン • カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン 等 | 600mg 1日2回 |
| 併用薬 | クレアチニン クリアランス <80mL/min |
|---|---|
| 強力なCYP3A4阻害剤を併用しない時又はtipranavir/リトナビル併用時 | 投与間隔の調節は必要ない (300mgを12時間毎) |
| ホスアンプレナビル/リトナビル併用時 | 150mgを12時間毎 |
| 強力なCYP3A4阻害剤の併用時: サキナビル/リトナビル併用時 ロピナビル/リトナビル、ダルナビル/リトナビル、アタザナビル/リトナビル、ケトコナゾール等 | 150mgを24時間毎 |
(1)重篤な心疾患又はその既往歴のある患者[心筋虚血等をおこすおそれがある。(「重大な副作用」の項参照)]
(2)肝機能障害のある患者又はB型・C型肝炎の患者[肝機能が悪化するおそれがある。(「重大な副作用」の項参照)]
(3)腎機能障害(CLcr<80mL/min)のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)]
(4)起立性低血圧の既往歴がある患者又は降圧作用を有する併用薬の投与を受けている患者[起立性低血圧をおこすおそれがある。]
(1)健康成人を対象とした臨床試験において、本剤によると疑われるアレルギー症状を伴う肝障害が1例報告されている。また、治療歴の有無に関わらずHIV感染患者を対象とした臨床試験において、肝機能検査異常の増加や肝障害が報告されたが、グレード3及び4注)の肝機能検査異常の増加は認められなかった。本剤投与後に肝炎あるいは全身性アレルギー症状(そう痒性皮疹、好酸球増加、IgE上昇等)が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(2)本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
1)本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については全て担当医に報告すること。
2)担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
3)本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
4)本剤による治療が、性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
5)本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中の全ての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医師に相談すること。[「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
(3)ウイルスの指向性検査は、有用性が確立された高感度な方法により行うこと。ウイルスの指向性は、患者の治療歴又は保存検体の検査から推測することはできないため、最新の検体で指向性検査を実施すること
(4)ウイルスの指向性が変化することがあるため、指向性検査後、直ちに治療を開始すること。
(5)ウイルス学的効果が認められなかった場合は、指向性検査の結果にかかわらず本剤の継続投与は推奨されない。[「薬効薬理」の項参照]
(6)本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
(7)本剤は、免疫細胞のCCR5コレセプターを阻害することから、感染症発症の危険性を増大させる可能性がある。本剤投与中は、感染症の徴候について十分な観察を行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。
(8)本剤投与に伴う悪性腫瘍の増加は認められていないが、免疫機構に影響を及ぼす可能性があるため、悪性腫瘍発症の危険性が増大するおそれがある。
(9)重度の腎機能障害患者に、ブーストした本剤とプロテアーゼ阻害薬を併用する時は、本剤の血中濃度が上昇し、起立性低血圧を起こす危険性が高まるおそれがあるので、患者の臨床症状等を十分に観察すること。特に強力なCYP3A4阻害作用を有するプロテアーゼ阻害剤と併用する時は注意すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「過量投与」、「薬物動態」の項参照)。
(10)めまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
注)エイズ臨床試験グループ(ACTG)分類
本剤はCYP3A4の基質であるため、この酵素を阻害又は誘導する薬剤を併用する場合、本剤の用量調節が必要になることがある。[「用法・用量」、「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| HIVプロテアーゼ阻害剤 アタザナビル アタザナビル/リトナビル ロピナビル・リトナビル配合剤サキナビル/リトナビル ダルナビル/リトナビル ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル/リトナビル |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg 1日2回に減量すること。 | これらのプロテアーゼ阻害剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
| HIVプロテアーゼ阻害剤+非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 HIVプロテアーゼ阻害剤(tipranavir/リトナビルを除く)+エファビレンツ又はエトラビリン |
||
| HIVプロテアーゼ阻害剤(tipranavir/リトナビルを除く)+リファブチン | ||
| 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 デラビルジン |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の用量を150mg 1日2回に減量すること。 | これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が抗真菌剤上昇するおそれがある。 |
| 抗真菌剤 イトラコナゾール、ケトコナゾール |
||
| 抗菌剤 クラリスロマイシン、テリスロマイシン |
||
| nefazodone | ||
| 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 エファビレンツ、エトラビリン |
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、強力なCYP3A4阻害剤を併用せずにこれらの薬剤を併用投与する場合、本剤の用量を600mg1日2回に増量すること。 | これらの薬剤はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
| 抗菌剤(リファンピシン) | ||
| カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン | ||
| リファンピシン+エファビレンツ | 本剤の血中濃度が著しく低下して至適水準を下回り、ウイルス学的効果の消失や本剤に対する耐性が生じる可能性があるので、本剤とこれらの薬剤の併用は推奨されない。 | これらの薬剤等はCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血中濃度が著しく低下するおそれがある。 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の血中濃度が著しく低下して至適水準を下回り、ウイルス学的効果の消失や本剤に対する耐性が生じる可能性があるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないように注意すること。 |
海外臨床試験(試験A4001027及び試験A4001028)において、本剤(300mg、1日2回)と最適背景療法※の併用投与群(n=426)でプラセボ投与群(最適背景療法の併用)より高頻度に報告された主な副作用(3%以上)は、疲労、発疹、浮動性めまい、不眠症、便秘秘であった。
※:表現型及び遺伝子型薬剤感受性試験の結果、並びに治療歴及び安全性/忍容性を考慮して、最適な組み合わせの抗HIV薬が投与された。
抗レトロウイルス薬による治療未経験患者を対象とした海外臨床試験(試験A4001026)において、本剤(300mg、1日2回)投与群(n=360)でより高頻度に報告された主な副作用(5%以上)は悪心、頭痛、疲労、鼓腸であった。
副作用の頻度については、日本人におけるHIV感染症を対象とした臨床試験成績は得られていないため、海外臨床試験成績に基づき分類した。
次のような症状があらわれた場合には、症状に応じ、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
次のような症状があらわれた場合には、症状に応じ、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 2%以上 | 2%未満 | |
|---|---|---|
| 血液 | 貧血 | ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少 |
| 感染症及び寄生虫症 | 鼻咽頭炎、耳感染、真菌感染、感染性筋炎、インフルエンザ、ウイルス感染 | |
| 代謝及び栄養障害 | 高トリグリセリド血症、高血糖、食欲亢進、食欲減退、インスリン抵抗性糖尿病、多飲症 | |
| 精神障害 | 不眠症 | 異常な夢、うつ病、感情障害、気分循環性障害、失見当識、多幸気分、リビドー減退、気分変動 |
| 神経系障害 | 浮動性めまい、味覚異常、頭痛 | 錯感覚、傾眠、感覚鈍麻、末梢性ニューロパシー、失神、精神運動亢進、レストレスレッグス症候群、振戦、味覚消失、健忘、記憶障害、異常感覚、副鼻腔炎に伴う頭痛、三叉神経痛 |
| 眼障害 | 眼刺激、眼乾燥、眼痛、弱視、アレルギー性結膜炎 | |
| 耳及び迷路障害 | 耳痛、乗物酔い、耳漏、鼓膜充血 | |
| 心臓障害 | 第一度房室ブロック、徐脈、頻脈、動悸 | |
| 血管障害 | ほてり、レイノー現象 | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 咳嗽 | 鼻閉、鼻乾燥、季節性鼻炎、呼吸困難、発声障害、肺気腫、肺障害、咽頭紅斑、咽喉頭不快感、咽喉頭疼痛、咽喉絞扼感、低音性連続性ラ音、上気道うっ血 |
| 胃腸障害 | 便秘、腹痛、消化不良、悪心、鼓腸、嘔吐、下痢 | 口の錯感覚、口の感覚鈍麻、口唇水疱、口腔内潰瘍形成、口唇のひび割れ、舌痛、歯痛、嚥下障害、おくび、レッチング、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、消化器痛、白色便、異常便、排便痛 |
| 肝胆道系障害 | 肝脾腫大、黄疸 | |
| 皮膚及び皮下組織障害 | 発疹 | 脱毛症、紅斑、後天性リポジストロフィー、脂肪肥大症、ざ瘡、冷汗、湿疹、過角化、脂肪組織萎縮症、爪の障害、爪変色、皮膚灼熱感、皮膚剥脱、皮膚刺激、そう痒症、毛包炎 |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 背部痛、頚部痛、筋痙縮、四肢痛、筋痛、肋軟骨炎、鼡径部腫瘤、筋緊張、筋骨格痛、ミオパシー | |
| 腎及び尿路障害 | 夜間頻尿、尿失禁、蛋白尿、着色尿、血尿 | |
| 生殖系及び乳房障害 | 勃起不全、良性前立腺肥大症、乳房腫瘤、乳房圧痛、不正子宮出血、乳頭痛、骨盤痛 | |
| 全身障害及び投与局所様態 | 疲労 | 無力症、異常感、胸部不快感、胸痛、易刺激性、口渇、脂肪織増加、全身性浮腫、炎症、インフルエンザ様疾患、薬物不耐性、注射部位反応、注射部位硬結、注射部位疼痛 |
| 臨床検査 | ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γGTP増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中トリグリセリド増加、血中コレステロール増加、血中クレアチニン増加、血中鉄減少、血中カリウム減少、血中カリウム増加、ウイルス負荷増加、心電図QT延長、体温上昇、体重増加、体重減少 | |
| 傷害、中毒及び処置合併症 | 転倒、筋損傷、肋骨骨折 |
注1)治療経験者を対象とした試験で本剤300mg、1日2回投与と最適背景療法の併用投与群(n=426)において、プラセボ投与群(最適背景療法の併用)より高頻度に発現した副作用及び治療未経験者を対象とした試験で本剤300mg1日2回投与群(n=360)において、対象群のエファビレンツ600mg1日1回投与群より高頻度に発現した副作用(発現率1%以上)
高齢者に対する本剤の使用経験は少ない。一般に高齢者では生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]
(2)本剤服用中は授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。また、HIV感染女性患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
臨床試験では最高1200mgまで投与された。推奨用量より高い用量では、症候性起立性低血圧がプラセボ投与群に比べ、高頻度に認められた。本剤の過量投与に対する特異的な解毒剤は存在しない。過量投与時には副作用の発現に注意するとともに、患者のバイタルサイン、血圧、心電図を慎重に観察する等の一般的な支持療法を行うこと。必要に応じて催吐又は胃洗浄を行い、未吸収の薬剤を除去すること。未吸収の薬剤の除去の補助手段として、活性炭を投与してもよい。本剤の蛋白結合率は中等度であるため、本剤の除去には透析が有効となることもある。
イヌ及びサルにおいて、ヒトに300mgを1日2回投与した場合のそれぞれ6倍及び12倍の血漿中濃度で、QT間隔の延長が認められた1),2)。
健康成人男性(n=12)に本剤300mgを空腹時単回経口投与したとき、マラビロクは投与後1.5~5.0時間(中央値では3.0時間)に最高血漿中濃度(Cmax)に到達した。Cmax及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-inf)の幾何平均値(変数係数%)はそれぞれ736ng/mL(42%)及び2763ng・h/mL(29%)であり、終末相の消失半減期(t1/2)の算術平均値(変数係数%)は13.0時間(23%)であった。
健康成人及びHIV感染患者にマラビロクを投与したときの定常状態の薬物動態パラメータを表1に示す。
| マラビロクの用量 | 例数 | Cmax (ng/mL) |
AUC12 (ng・h/mL) |
Cmin (ng/mL) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 健康成人 (第I相) |
300mg1日2回 | 64 | 888 | 2908 | 43.1 |
| 無症候性 HIV感染患者 (第Ⅱa相) |
300mg1日2回 | 8 | 618 | 2550 | 33.6 |
| 治療歴のある HIV感染患者 (第Ⅲ相)注) |
300mg1日2回 | 94 | 266 | 1513 | 37.2 |
| 150mg1日2回 (CYP3A4阻害剤併用) |
375 | 332 | 2463 | 101 |
注)患者の血漿中濃度データを用いた母集団薬物動態解析により各パラメータを推定した。
健康成人を対象にマラビロク300mg錠を単回経口投与したとき、マラビロクは投与後0.5~4時間(中央値では2時間)で最高血漿中濃度に到達した4)。健康成人を対象にマラビロク1~1200mgを単回経口投与したとき、マラビロクの薬物動態は投与量に比例しなかった5)。マラビロク100mg経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティは23%であり6)、300mgでは33%と推定されている6)。マラビロクは、排出トランスポーターのP糖蛋白の基質である7)。
健康成人を対象にマラビロク300mg錠を高脂肪食(朝食)と共に投与したとき、マラビロクのCmax及びAUCは33%低下した8)。HIV-1感染患者を対象とした海外臨床試験(「臨床成績」の項参照)では食事制限を設定することなく有効性及び安全性が示されているため、マラビロクは食事の有無にかかわらず定められた用法及び用量を投与することができる(「用法・用量」の項参照)8)。
マラビロクはヒト血漿蛋白と結合し(約76%)、アルブミン及びα1酸性糖蛋白と中等度の親和性を示す7),9)。マラビロクの分布容積は約194Lであった6)。
ヒトにおける試験及びヒト肝ミクロソームと発現酵素系ミクロソームにおけるin vitro試験から、マラビロクは主にチトクロームP450系を介し、HIV-1に対する効果を持たない代謝物に変換されることが示されている。また、in vitro試験から、マラビロクの主な代謝酵素はCYP3A4であり、遺伝的多型を示すCYP2C9、CYP2D6、及びCYP2C19の代謝への寄与は小さいことが示されている。
14C-マラビロク300mgを単回経口投与したとき、血漿中には主として未変化体(マラビロク)が存在し、体循環している放射能の約42%を占めた。血漿中の主な代謝物はN-脱アルキル化によって形成される2級アミンであり、体循環している放射能の約22%を占めた。この極性代謝物に顕著な薬理活性はない。その他の代謝物はモノ酸化体であるが、血漿中の放射能としては微量成分であった5),6),10)。
健康成人を対象にマラビロクを経口投与したとき、定常状態におけるマラビロクの終末相の半減期は、14~18時間であった。14C-マラビロク300mgを単回投与したマスバランス試験において、投与後168時間で放射能の約20%が尿中に回収され、76%が糞便中に回収された。尿中及び糞便中へは主として未変化体として排泄され、それぞれ投与量の8%及び25%(平均値)であった。その他は代謝物として排泄された6)。
本剤はCYP3A4及びP糖蛋白の基質であり、これらの酵素もしくはトランスポーターを阻害する薬剤及び誘導する薬剤によりマラビロクの薬物動態が変化する可能性がある。CYP3A4又は、CYP3A4及びP糖蛋白を阻害する薬剤のケトコナゾール、リトナビル、サキナビル、ロピナビル/リトナビル、アタザナビル、及びダルナビルは、いずれもマラビロクのCmax及びAUCを増大させた(表2)。CYP3A4誘導薬剤のエファビレンツ、エトラビリン及びリファンピシンはマラビロクのCmax及びAUCを低下させた。
tipranavir/リトナビル(CYP3A4阻害及びP糖蛋白誘導作用を有する)は、マラビロクの定常状態の薬物動態に影響を及ぼさなかった。
マラビロクの腎クリアランスはCYP3A4阻害剤の非併用時では、総クリアランスの約23%であった6)。腎で消失する薬剤とマラビロクの消失が競合する可能性があるが、トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤(トリメトプリムは腎カチオン輸送を阻害)及びテノホビル(腎で消失)は、マラビロクの薬物動態に影響を及ぼさなかった11)。
マラビロクはin vitroでP糖蛋白を阻害する(IC50:183μM)。循環血中のマラビロクがP糖蛋白に影響を及ぼす可能性は低いが、消化管ではマラビロクがP糖蛋白を阻害することによりP糖蛋白の基質薬剤のバイオアベイラビリティに影響を及ぼす可能性がある。
マラビロクは、in vitroでは臨床的に意味のある濃度でチトクロームP450(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)の活性を阻害しないため、これらの酵素により代謝される併用薬の代謝を阻害しないと考えられる10)。
マラビロクは、ジドブジン(チトクロームP450以外による代謝及び腎で消失)又はラミブジン(主に腎で消失)の薬物動態に影響を及ぼさなかった12)。マラビロクは、ミダゾラム、経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)の薬物動態には臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった12)。また、尿中6β-ヒドロキシコルチゾール/コルチゾール比にも影響はなく、マラビロクはin vivoにおいてCYP3A4を誘導しないことが示唆された5)。マラビロクの曝露量が増加した場合にマラビロクがCYP2D6を阻害する可能性は否定できないが、in vitro試験及び臨床試験成績から併用薬の薬物動態に影響を与える可能性は低いものと考えられる。
| 併用薬及び用量 | 例数 | マラビロクの用量 | マラビロクの薬物動態パラメータの比 (併用薬の併用時/非併用時)及び90%信頼区間(影響なし=1.00) |
||
|---|---|---|---|---|---|
| Cmax | AUCtau | Cmin | |||
| CYP3A4又は、CYP3A4及びP糖蛋白を阻害する薬剤 | |||||
| ケトコナゾール400mg QD13) | 12 | 100mg BID | 3.38 (2.38, 4.78) | 5.00 (3.98, 6.29) | 3.75 (3.01, 4.69) |
| リトナビル100mg BID13) | 8 | 100mg BID | 1.28 (0.79, 2.09) | 2.61 (1.92, 3.56) | 4.55 (3.37, 6.13) |
| サキナビル(ソフトゲルカプセル)/リトナビル1000mg/100mg BID13) | 11 | 100mg BID | 4.78 (3.41, 6.71) | 9.77 (7.87, 12.14) | 11.3 (8.96, 14.1) |
| ロピナビル/リトナビル400mg/100mg BID13) | 11 | 300mg BID | 1.97 (1.66, 2.34) | 3.95 (3.43, 4.56) | 9.24 (7.98, 10.7) |
| アタザナビル400mg QD13) | 12 | 300mg BID | 2.09 (1.72, 2.55) | 3.57 (3.30, 3.87) | 4.19 (3.65, 4.80) |
| アタザナビル/リトナビル300mg/100mg QD13) | 12 | 300mg BID | 2.67 (2.32, 3.08) | 4.88 (4.40, 5.41) | 6.67 (5.78, 7.70) |
| ダルナビル/リトナビル600mg/100mg BID13) | 12 | 150mg BID | 2.29 (1.46, 3.59) | 4.05 (2.94, 5.59) | 8.00 (6.35, 10.1) |
| CYP3A4又は、CYP3A4及びP糖蛋白を誘導する薬剤 | |||||
| エファビレンツ600mg QD13) | 12 | 100mg BID | 0.486 (0.377, 0.626) | 0.552 (0.492, 0.620) | 0.55 (0.43, 0.72) |
| エトラビリン200mg BID13) | 14 | 300mg BID | 0.400 (0.282, 0.566) | 0.468 (0.381, 0.576) | 0.609 (0.525, 0.707) |
| リファンピシン600mg QD13) | 12 | 100mg BID | 0.335 (0.260, 0.431) | 0.368 (0.328, 0.413) | 0.22 (0.17, 0.28) |
| ネビラピン注)200mg BID(+ラミブジン 150mg BID、テノホビル 300mg QD)13) | 8 | 300mg 単回 | 1.54 (0.94, 2.51) | 1.01 (0.65, 1.55) | - |
| CYP3A4又は、CYP3A4及びP糖蛋白を阻害及び誘導する薬剤 | |||||
| ロピナビル/リトナビル+エファビレンツ400mg/100mg BID+600mg QD13) | 11 | 300mg BID | 1.25 (1.01, 1.55) | 2.53 (2.24, 2.87) | 6.29 (4.72, 8.39) |
| サキナビル(ソフトゲルカプセル)/リトナビル+エファビレンツ1000mg/100mg BID+600mg QD13) | 11 | 100mg BID | 2.26 (1.64, 3.11) | 5.00 (4.26, 5.87) | 8.42 (6.46, 10.97) |
| ダルナビル/リトナビル+エトラビリン600mg/100mg BID+200mg BID13) | 10 | 150mg BID | 1.77 (1.20, 2.60) | 3.10 (2.57, 3.74) | 5.27 (4.51, 6.15) |
| tipranavir/リトナビル500mg/200mg BID13) | 12 | 150mg BID | 0.86 (0.61, 1.21) | 1.02 (0.850, 1.23) | 1.80 (1.55, 2.09) |
| CYP3A4又は、CYP3A4及びP糖蛋白を阻害及び誘導しない薬剤 | |||||
| ラルテグラビル400mg BID | 17 | 300mg BID | 0.79 (0.67, 0.94) | 0.86 (0.80, 0.92) | 0.90 (0.85, 0.96) |
マラビロクは主に肝臓で代謝され消失する。軽度(Child-Pugh分類A:8名)又は中等度(Child-Pugh分類B:8名)の肝機能障害を有する患者にマラビロク300mgを単回投与したときのマラビロクの薬物動態が検討されている。肝機能の正常な被験者(8名)と比較して軽度の肝機能障害患者のCmax及びAUC(平均値)はそれぞれ11%及び25%、中等度の肝機能障害患者ではそれぞれ32%及び46%高い値を示した14)。重度の肝機能障害を有する患者の薬物動態は検討されていない。
マラビロクの腎クリアランスは、CYP3A4を阻害する薬剤の非併用時では総クリアランスの約23%であるが、併用時では約70%を占める可能性がある。
腎機能障害患者における薬物動態のシミュレーション検討結果から、強力なCYP3A4阻害薬との併用時には、マラビロクの血中濃度が増加するため、投与量を減量する必要がある。
〈単回投与〉
腎機能正常被験者6名、重度(CLcr<30mL/min)腎機能障害患者6名、及び週3回透析を行っている患者6名にマラビロク300mg単回投与を行った。AUCinf(変動係数%)は、腎機能正常被験者1348.4ng・h/mL(61%)、重度腎機能障害患者4367.7ng・h/mL(52%)、透析患者(透析後投与時)2677.4ng・h/mL(40%)、透析患者(透析前投与時)2805.5ng・h/mL(45%)であった。Cmax(変動係数%)はそれぞれ、335.6ng/mL(87%)、801.2ng/mL(56%)、576.7ng/mL(51%)、478.5ng/mL(38%)であった。なお、マラビロクの透析クリアランス(変動係数%)は36.4mL/min(33%)であった。
〈反復投与〉
腎機能正常被験者6名にマラビロク150mg(12時間毎)とサキナビル/リトナビル1000/100mg BIDの併用、軽度(CLcr>50~≦80mL/min)腎機能障害患者6名にマラビロク150mg(24時間毎)とサキナビル/リトナビル1000/100mg BIDの併用、中等度(CLcr≧30~≦50mL/min)腎機能障害患者6名にマラビロク150mg(48時間毎)とサキナビル/リトナビル1000/100mg BIDの併用にて7日間経口投与をした時、腎機能正常被験者と比べて軽度腎機能障害患者ではAUCtau、Cmaxはそれぞれ52%、21%上昇し、Cminは43%低下した。また、中等度腎機能障害患者ではAUCtauは16%上昇し、Cmax及びCminはそれぞれ29%、85%低下した。したがって、腎機能障害があり、強力なCYP3A4阻害剤を投与している患者では、マラビロクの投与量を150mg QDに調整する必要がある。なお、投与間隔を24時間以上とした場合は、投与後24~48時間のマラビロクの曝露が不十分になる可能性がある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
小児患者における本剤の薬物動態は確立されていない。
臨床第I相、第IIa相及び第III相試験データを用いた母集団薬物動態解析の結果、年齢(16~65歳)の影響は認められなかった15),16)。
臨床第I相及び第IIa相試験データを用いた母集団薬物動態解析の結果、性別(女性:96名、全集団の23.2%)はマラビロクの血中濃度には影響を及ぼさないことが示されている15)。性別による用量調節は不要である。
臨床第I相及び第IIa相試験データを用いた母集団薬物動態解析では、アジア人(95名)及び黒人(14名)が含まれた。母集団薬物動態解析においてアジア人と非アジア人(318名)で人種の影響を検討したところアジア人の曝露量が26.5%高いことが示されたが、薬物動態試験による白人(12名)とアジア人(12名)の比較では、両集団に薬物動態の相違は認められなかった15),17)。人種に基づく用量調節は不要である。
他の抗HIV薬による治療歴のあるCCR5指向性HIV-1感染患者を対象に、マラビロク(300mg、1日1回又は1日2回)又はプラセボと最適背景療法を併用した多施設共同二重盲検試験2試験(試験A4001027及び試験A4001028、n=1076)を実施した結果、以下の成績が得られた。
| マラビロク+OBT注1) 300mg、1日2回(n=426) |
プラセボ+OBT注1) (n=209) |
|
|---|---|---|
| HIV-1 RNA量ベースラインから の変化量(log10copies/mL) | -1.84 | -0.78 |
| -1.05(-1.33, -0.78)注2) | -0.78 | |
| HIV-1 RNA量が<400copies/mL となった症例数の割合 | 56.1% | 22.5% |
| オッズ比:4.76(3.24, 7.00)注2) | 22.5% | |
| HIV-1 RNA量が<50copies/mL となった症例数の割合 | 45.5% | 16.7% |
| オッズ比:4.49(2.96, 6.83)注2) | 16.7% | |
| CD4陽性リンパ球数ベースライン からの変化量(/mm3) | 124.07 | 60.93 |
| 63.13(44.28, 81.99)注2) | 60.93 |
注1)OBT(最適背景療法)との併用
注2)プラセボ投与群との差。括弧内は95%信頼区間を示す。ただし、HIV-1 RNA量のベースラインからの変化量では97.5%信頼区間を示す。
| マラビロク+OBT注1) 300mg、1日2回(n=426) |
プラセボ+OBT注1) (n=209) |
|
|---|---|---|
| ベースライン HIV-1 RNA量 | ||
| <5.0log10copies/mL | 58.4% | 26.0% |
| ≧5.0log10copies/mL | 34.7% | 9.5% |
| ベースラインCD4陽性リンパ球数(/mm3) | ||
| <50 | 16.5% | 2.6% |
| 50-100 | 36.4% | 12.0% |
| 101-200 | 56.7% | 21.8% |
| 201-350 | 57.8% | 21.0% |
| ≧350 | 72.9% | 38.5% |
| 併用した抗HIV薬の数注2),注3) | ||
| 0 | 32.7% | 2.0% |
| 1 | 44.5% | 7.4% |
| 2 | 58.2% | 31.7% |
| ≧3 | 62.0% | 38.6% |
注1)OBT(最適背景療法)との併用
注2)治療中断又はウイルス学的効果がなかった場合は治療失敗とした。
注3)遺伝子型感受性スコアに基づく
他の抗HIV薬による治療歴のあるCXCR4指向性HIV-1感染患者、CCR5/CXCR4二重又は混合指向性HIV-1感染患者を対象に、マラビロク(300mg、1日1回又は1日2回)又はプラセボと最適背景療法を併用した多施設共同二重盲検試験(試験A4001029)を実施した。
その結果、マラビロクはCXCR4指向性、CCR5/CXCR4二重又は混合指向性のHIV-1感染患者において、HIV-1 RNA量及びCD4陽性リンパ球数に対し、有意な影響を及ぼさないことが確認された。
他の抗HIV薬による治療歴のないCCR5指向性HIV-1感染患者を対象に、マラビロク(300mg、1日1回又は1日2回)又はエファビレンツと併用薬(ジドブジン300mgおよびラミブジン150mg、各1日2回)を投与した多施設共同二重盲検試験(試験A4001026)を実施した。高精度指向性検査を用いてCCR5指向性HIV-1感染例を選択した結果、以下の成績が得られた。
(表5、表6、表7参照)
| 項目 | マラビロク投与群 (N=311) |
エファビレンツ投与群 (N=303) |
両投与群間の差 | |
|---|---|---|---|---|
| 割合の差 | 片側97.5% CIの下限 |
|||
| 48週後 | ||||
| <400copies/mL | 73.3%(228) | 72.3%(219) | 0.6 | -6.4 |
| <50copies/mL | 68.5%(213) | 68.3%(207) | -0.2 | -7.4 |
| 96週後 | ||||
| <400copies/mL | 64.0%(199) | 64.4%(195) | -0.4 | -7.9 |
| <50copies/mL | 58.8%(183) | 62.7%(190) | -3.9 | -11.5 |
| 項目 | 48週 | 96週 | ||
|---|---|---|---|---|
| マラビロク投与群 | エファビレンツ投与群 | マラビロク投与群 | エファビレンツ投与群 | |
| レスポンダー | 213例 | 216例 | 188例 | 184例 |
| ノンレスポンダー | 98例 | 87例 | 123例 | 119例 |
| ウイルス学的な治療失敗 | 26% | 9% | 22% | 7% |
| リバウンド | 22% | 14% | 31% | 24% |
| (治療中止例) | ||||
| 有害事象 | 13% | 49% | 15% | 40% |
| 不参加 | 20% | 16% | 20% | 15% |
| 死亡症例 | 1% | 0 | 2% | 2% |
| その他 | 11% | 9% | 11% | 13% |
注1)TLOVR(ウイルス学的効果消失までの期間)法による評価
| 治療 | 治療失敗例での耐性 | Tropism Status | ||
|---|---|---|---|---|
| R5 | X4/DM | NA | ||
| マラビロク投与群 300mg BID (N=39) |
チミジン誘導体関連変異 | 5.1% | 5.1% | 0 |
| M184VI注1) | 25.6% | 20.5% | 5.1% | |
| エファビレンツ耐性 | 0 | 0 | 0 | |
| エファビレンツ投与群 600mg QD (N=18) |
チミジン誘導体関連変異 | 11.1% | 0 | 0 |
| M184VI注1) | 27.8% | 0 | 16.7% | |
| エファビレンツ耐性 | 38.9% | 0 | 22.2% | |
DM=dual/mixed,NA=not available,BID=twice daily,QD=once daily
注1)M184VI:ラミブジン高度耐性変異
マラビロクは、HIVが細胞に侵入する際に利用する補受容体であるCC Chemokine Receptor 5(CCR5)阻害剤である。マラビロクは、細胞膜上のCCR5に選択的に結合し、HIV-1エンベロープ糖タンパク質gp120とCCR5との相互作用を遮断することにより、CCR5指向性HIV-1の細胞内への侵入を阻害する。なお、マラビロクは、CXCR4指向性及びCCR5/CXCR4二重指向性HIV-1の細胞内への侵入を阻害しない。
CCR5指向性HIV-1初代臨床分離株43株においてマラビロクの抗ウイルス活性を評価した結果、マラビロクのIC90値はウイルスのサブタイプ間で有意な差はなく、その平均値は血清補正後の非結合型濃度として0.57ng/mLであった。一方、CXCR4使用ウイルス注)に対する抗ウイルス作用は示さなかった。HIV-2に対するマラビロクの抗ウイルス活性は検討されていない。
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI:アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビル、ザルシタビン、ジドブジン)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI:デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン)、プロテアーゼ阻害剤(PI:アンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル)、又はHIV融合阻害剤(enfuvirtide)とマラビロクを併用した場合、抗ウイルス活性に拮抗作用は認められなかった。
注)CXCR4使用ウイルス:CXCR4指向性又はCCR5/CXCR4二重指向性ウイルス
CCR5指向性HIV-1臨床分離株2株を連続継代培養した結果、マラビロクに対する感受性が低下した変異株が分離された。これらのマラビロク耐性ウイルスはCCR5指向性を維持しており、CXCR4指向性又はCCR5/CXCR4二重指向性への変化は認められなかった。
マラビロク耐性ウイルスの特徴は、in vitro抗ウイルス作用試験でマラビロクが100%阻害作用を示さないことであった。表現型耐性の指標として通常用いられるIC50値は、マラビロクに対する感受性の低下にもかかわらず変動しない場合があり、表現型耐性の判定には有用ではない。
アミノ酸残基の変異はgp120に集中していた。しかしながら、変異の部位は分離株ごとに異なっており、これらの変異とマラビロク感受性との関連は明らかではない。
培養細胞を用いた系で、マラビロクは、NRTI、NNRTI、PI及びenfuvirtideに耐性を有するHIV-1臨床分離株に対し、抗ウイルス活性を示した。In vitroで生じたマラビロク耐性ウイルスは、enfuvirtide及びサキナビルに対し、感受性を維持していた。
抗HIV薬による治療歴のあるCCR5指向性HIV-1感染患者を対象とした試験(試験A4001027及び試験A4001028)において、スクリーニング期からベースライン時までの間(4~6週間)で、7.6%の被験者のウイルスの指向性がCCR5指向性からCXCR4指向性又は二重/混合指向性へ変化した23),24)。
また、抗HIV薬による治療歴のない患者を対象とした試験(試験A4001026)において、スクリーニング期からベースライン時までの間(4~6週間)で、3.6%の被験者のウイルスの指向性がCCR5指向性からCXCR4指向性又は二重/混合指向性へ変化した。
マラビロクによる治療が成功しなかった患者の約60%において、治療失敗時にCXCR4使用ウイルスが検出された。これに対し、プラセボ群(最適背景療法の併用)の治療失敗例でCXCR4使用ウイルスが検出された患者数は6%であった。これらのCXCR4使用ウイルスの起源を検討するため、治療失敗時にCXCR4使用ウイルスが検出された20例(マラビロク群16例、プラセボ群4例)のウイルスのクローン分析を行った結果、CXCR4使用ウイルスは、指向性変異(CCR5指向性ウイルスがCXCR4指向性に変化した)によるのではなく、治療前の指向性検査では検出することのできなかったわずかな量のCXCR4使用ウイルスに由来することが示唆された。
ベースライン時にはCCR5指向性ウイルスを有したがその後CXCR4使用ウイルスが検出され治療が失敗した患者のうち38例で、投与中止後35日間以上の追跡観察を行った。これら38例のうち、最終観察までにCCR5指向性に戻らなかった症例は、3例のみであった。
CXCR4使用ウイルスが検出された治療失敗時の他の抗HIV薬に対する耐性パターンは、ベースライン時のCCR5指向性ウイルスと変わらなかった。したがって、抗HIV薬療法を選択する際には、ベースライン時には検出できないCXCR4使用ウイルスが、ベースライン時に検出されるCCR5指向性ウイルスと同じ耐性パターンを有している可能性を考慮する必要がある。

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