ツルバダ配合錠の添付文書

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ツルバダのイラスト

商品名: ツルバダ配合錠
一般名: テノホビル・エムトリシタビン(TDF+FTC)
略称 : TVD
添付文書の読み方

ここで提供している添付文書情報は、2009年10月30日現在の各医薬品の添付文書を基に作成したものです。書式等については、実際の添付文書と異なるところがあります。添付文書情報は随時更新されます。ご使用の際は、必ず最新の添付文書をご覧下さい。

また、記載されている内容には、専門的な情報が含まれています。文書内の、
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抗ウイルス化学療法剤

ツルバダ配合錠

Truvada Combination Tab

(エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠)

**2016年1月改訂(第8版)
*2013年1月改訂(第7版)

日本標準商品分類番号:87625

劇薬、処方せん医薬品注1)

貯法等:乾燥剤を同封した気密容器,室温保存
開栓後は湿気を避けて保存すること

使用期限:3年(外箱及びラベルに表示の使用期限を参照のこと)

注1)注意-医師等の処方せんにより使用すること

承認番号 22000AMX02432000
薬価収載 2009年9月
販売開始注2) 2009年9月
国際誕生 2004年8月

注2)ツルバダ錠として2005年4月販売開始


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警告

B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)】

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成・性状】

有効成分(1錠中) エムトリシタビン200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)
添加物 クロスカルメロースNa,乳糖,ステアリン酸Mg,セルロース,部分アルファー化デンプン,青色2号,ヒプロメロース,酸化チタン,トリアセチン
性状・剤形 青色のフィルムコーティング錠
外形 上面:上面の形状イラスト
下面:下面の形状イラスト
側面:側面の形状イラスト
サイズ 長径 約19.2mm,短径 約8.7mm,厚さ 約7.1mm
識別コード GILEAD-701

効能・効果

HIV-1感染症

用法・用量

通常,成人には1回1錠(エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として300mgを含有)を1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。

用法・用量に関連する使用上の注意

  1. 本剤はエムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の固定用量を含有する配合剤であるので,エムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の個別の用法・用量の調節が必要な患者には,個別のエムトリシタビン製剤(エムトリバカプセル200mg)又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤(ビリアード錠300mg,以下「テノホビル製剤」と略す)を用いること。なお,エムトリシタビン製剤及びテノホビル製剤の使用にあたっては,それぞれの製品添付文書を熟読すること。
  2. 本剤に加えてエムトリシタビン製剤又はテノホビル製剤を併用投与しないこと。
  3. 腎機能障害のある患者では,エムトリシタビン製剤及びテノホビル製剤の薬物動態試験においてエムトリシタビンとテノホビルの血中濃度が上昇したとの報告があるので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)。
クレアチニンクリアランス(CLcr) 投与方法
50mL/min以上 本剤1錠を1日1回投与
30~49mL/min 本剤1錠を2日間に1回投与
30mL/min未満又は血液透析患者 本剤は投与せず,エムトリシタビン製剤及びテノホビル製剤により,個別に用法・用量の調節を行う

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【使用上の注意】

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

腎障害のある患者[中等度及び重篤な腎機能障害のある患者では,エムトリシタビン及びテノホビルの血中濃度が上昇する(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重要な基本的注意」及び「薬物動態」<外国人における成績>の「3.腎不全患者」の項参照)。]

2.重要な基本的注意

(1)本剤の使用に際しては,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。

1)本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化については全て担当医に報告すること。

2)本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。

3)本剤による治療が,性的接触又は血液汚染等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。

(2)本剤を含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されているので,乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。

(3)本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。

(4)腎障害の既往,合併又はリスクを有する患者に本剤を投与する場合には,血中クレアチニン,血中リン酸塩の変動を注意深く観察し,投与法を調節する等の適切な処置を行うこと。また,腎毒性を有する薬剤との併用は避けることが望ましい。

(5)テノホビル製剤の試験において,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24~48週目にかけて発現し,以降は144週目まで安定していた。臨床的意義は不明であるが,病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者では,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(6)核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は,NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されているので,本剤と他のNRTI1成分のみによる治療で効果が認められない場合には他の組み合わせを考慮すること。

(7)本剤の有効成分であるエムトリシタビンの薬剤耐性を含むウイルス学的特性はラミブジンと類似しているので,本剤とラミブジンを含む製剤を併用しないこと。また,ラミブジン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず,HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合,ラミブジン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を本剤に変更することのみで効果の改善は期待できない。

(8)アジア系人種におけるエムトリシタビン製剤の薬物動態は十分検討されていないが,少数例の健康成人及び B型慢性肝炎のアジア系人種において,Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので,HBV感染症合併患者を含め,副作用の発現に注意すること。

(9)抗HIV薬の使用により,体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

(10)エムトリシタビン製剤の試験において皮膚変色が発現し,その発現頻度は有色人種に高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明であり,外国の規制当局からの指示により,発現機序等について検討中である。

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3.相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジダノシン ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので,ジダノシンの減量を考慮すること。 テノホビル製剤とジダノシン製剤の併用により,ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する。
アタザナビル硫酸塩 アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので,本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には,本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましい。また,本剤による有害事象を増強するおそれがある。 テノホビル製剤とアタザナビル硫酸塩製剤の併用により,アタザナビルのAUCが25%,Cmaxが21%,Cminが40%低下し,テノホビルのAUCが24%,Cmaxが14%,Cminが22%上昇する。
ロピナビル/リトナビル 本剤による有害事象を増強するおそれがある。 テノホビル製剤とロピナビル/リトナビル製剤の併用により,テノホビルのAUCが32%,Cminが51%上昇する。
アシクロビル,バラシクロビル,ガンシクロビル,バルガンシクロビル等 これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある。 尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により排泄が遅延し,これらの薬剤,エムトリシタビン又はテノホビルの血中濃度が上昇するおそれがある。

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4.副作用

外国における抗レトロウイルス薬による未治療患者を対象としたエムトリシタビン製剤とテノホビル製剤の併用による比較試験において,257例中84例(32.7%)に副作用が認められた。主な副作用は,悪心下痢,疲労等であった。

臨床検査値異常では,血中アミラーゼ増加,CK(CPK)増加,血中トリグリセリド増加等が多かった。

(1)重大な副作用
1)腎不全又は重度の腎機能障害(<1%)

腎機能不全,腎不全,急性腎不全,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。

2)膵炎(頻度不明)注3)

膵炎があらわれることがあるので,血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3)乳酸アシドーシス(頻度不明)注3)

乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

下記の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。

種類/頻度 2%以上 2%未満 頻度不明 注3)
胃腸障害 悪心(10.9%),下痢(7.0%) 嘔吐,鼓腸,腹部膨満,口内乾燥,腹痛,上腹部痛 消化不良,便秘,胃炎,胃腸障害,口臭,アフタ性口内炎,おくび
全身障害及び投与局所様態 疲労(3.1%) 発熱,ほてり 無力症,疼痛,倦怠感,悪寒,胸痛,末梢性浮腫
神経系障害 頭痛(2.7%) 浮動性めまい不眠症,傾眠 錯感覚,異常な夢,ニューロパチー,末梢性ニューロパチー,前庭障害,思考異常,味覚異常振戦
精神障害     うつ病,神経過敏,不安,リビドー減退,睡眠障害,感情不安定
皮膚及び皮下組織障害 皮膚色素過剰(2.3%) 発疹 そう痒症,皮膚変色,多汗症,皮膚乾燥,脱毛症,湿疹,ざ瘡,脂漏,帯状疱疹,単純ヘルペス,皮膚良性新生物
代謝及び栄養障害   食欲不振,食欲亢進,食欲減退 高脂血症,後天性リポジストロフィー,体重減少,高コレステロール血症,高血糖,低リン酸血症,低カリウム血症
肝胆道系障害     脂肪肝,肝炎,肝機能異常
筋骨格系及び結合組織障害     筋痛,関節痛,骨障害,背部痛,側腹部痛,筋痙攣,骨軟化症,ミオパチー
呼吸器,胸郭及び縦隔障害     気管支炎,鼻炎,呼吸困難,咽頭炎
臨床検査注4) 血中アミラーゼ増加(7.5%),CK(CPK)増加(7.1%),血中トリグリセリド増加(4.3%),AST(GOT)増加(2.8%),好中球数減少(2.8%),ALT(GPT)増加(2.0%),血尿(2.0%) Al-P増加,血中ブドウ糖増加,尿糖 リパーゼ増加,血中ビリルビン増加,血中リン減少,血小板数減少,蛋白尿,血中クレアチニン増加,γ-GTP増加
その他     白血球減少症,血管拡張,感染,頻尿,インフルエンザ症候群,視覚異常,多尿,アレルギー反応

注3)エムトリシタビン製剤又はテノホビル製剤の臨床試験,市販後の調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。

注4)エムトリシタビン製剤とテノホビル製剤の併用による比較試験で発現した臨床検査はグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常を示した。

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5.高齢者への投与

本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分考慮すること。

6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]
  2. 本剤服用中は授乳を中止させること。[エムトリシタビン及びテノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており1),テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を用いた動物実験(ラット)で,テノホビルの乳汁中への移行が報告されている。また,HIV感染女性患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]

7.小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない(18歳未満の患者に対する使用経験がない)。

8.過量投与

本剤を過量投与した症例は報告されておらず,過量投与時に特有の徴候や症状は不明である。過量投与時には,本剤の副作用(「副作用」の項参照)について十分に観察を行い,必要に応じ一般的な対症療法を行うこと。エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される(「薬物動態」<外国人における成績>の「3.腎不全患者」の項参照)。

9.その他の注意

テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のマウスを用いたがん原性試験(2年間)において,臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。

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薬物動態

<日本人における成績>

1.吸収及び消失1)

日本人健康成人男性6例に本剤1錠を空腹時に経口投与した場合,エムトリシタビンの血漿中濃度は投与1.9±0.7時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ2,330±692ng/mL,10,845±1,241ng・hr/mLであった。エムトリシタビンの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,12.0±2.1時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は79±6%であった。

また,テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の活性成分であるテノホビルの血漿中濃度は投与1.1±0.5時間後に最高値に達し,Cmax及びAUCはそれぞれ233±62.4ng/mL,1,972±229ng・hr/mLであった。テノホビルの消失は二相性を示し,最終相の半減期は,16.4±1.3時間であり,投与48時間後までの累積尿中排泄率は21±3%であった。

<外国人における成績>

1.吸収,分布,代謝及び消失
(1)生物学的同等性

健康成人志願者39例を対象として空腹時単回投与により検討した結果,本剤1錠と,エムトリシタビン製剤(200mg)1カプセル及びテノホビル製剤(300mg)1錠の併用とは生物学的に同等であった。

(2)エムトリシタビン製剤又はテノホビル製剤単独投与での薬物動態
エムトリシタビン製剤
エムトリシタビンの血漿中濃度は,エムトリシタビン製剤(200mg)単回経口投与後1~2時間後にCmaxに達した。エムトリシタビンのヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は,0.02~200μg/mLの範囲で4%未満であった。14C-エムトリシタビン投与後,投与量の約86%は尿中に回収され,13%は代謝物として回収された。エムトリシタビンの代謝物は,3'-スルホキシドジアステレオマーとグルクロン酸抱合体である。エムトリシタビンは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送の両方により腎排泄されることが示唆されている。エムトリシタビン製剤(200mg)経口投与後のエムトリシタビンの血漿中半減期は約10時間であった(表1)。
テノホビル製剤
テノホビルの血清中濃度は,テノホビル製剤(300mg)経口投与後1.0±0.4時間後にCmaxに達した。テノホビルのヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は,0.01~25μg/mLの範囲で0.7%未満であった。テノホビルの静脈内投与量の約70~80%は,テノホビルとして尿中に回収された。テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。テノホビル製剤(300mg)単回経口投与後のテノホビルのβ相半減期は約17時間であった(表1)。
表1 成人単回単独投与時のエムトリシタビン又はテノホビルの薬物動態パラメータ
  エムトリシタビン テノホビル
空腹時の生物学的利用率(%)注5) 92(83.1-106.4) 25(NC注6)-45.0)
β相半減期(hr)注5) 10(7.4-18.0) 注7) 17(12.0-25.7)
Cmax(μg/mL)注8) 1.8±0.7注7) 0.30±0.09
AUC(μg・hr/mL)注8) 10.0±3.1注7) 2.29±0.69
CL/F(mL/min)注8) 302±94 1044±115
CLrenal(mL/min) 注8) 213±89 243±33

注5):中央値(範囲)

注6):算出不能

注7):定常状態での値

注8):平均値±標準偏差

2.食事の影響

本剤を高脂肪食(784kcal,約58%が脂肪由来)と共に服用した場合,テノホビルのTmaxは約0.75時間延長し,AUCは約35%,Cmaxは約16%上昇した。また,本剤を軽食(373kcal,約20%が脂肪由来)と共に服用したときも同様の変化(Tmaxが約0.75時間延長,AUCが約34%上昇,Cmaxが約14%上昇)が認められた。

また,本剤を高脂肪食又は軽食と共に服用した場合,エムトリシタビンのAUC及びCmaxは,影響を受けなかった。

3.腎不全患者

本剤による腎不全患者を対象とした臨床試験成績は得られていないため,エムトリシタビン製剤(200mg)又はテノホビル製剤(300mg)の単独投与での成績を示す。クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者では,エムトリシタビンとテノホビルのCmaxとAUCがそれぞれ上昇した(表2,表3)。

なお,エムトリシタビン製剤(200mg)単回投与時には,投与1.5時間以内に開始した3時間の血液透析(血液流量400mL/min,透析液流量600mL/min)により投与量の約30%が除去された。また,テノホビル製剤(300mg)単回投与時には4時間の血液透析(テノホビルの除去率は54%)により投与量の約10%が除去された。

表2 腎障害を有する患者におけるエムトリシタビン製剤(200mg)の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr
(mL/min)
例数 投与前のCLcr平均値
(mL/min)
Cmax
(μg/mL)
AUC
(μg・hr/mL)
CL/F
(mL/min)
CLrenal
(mL/min)
>80 6 107±21 2.2±0.6 11.8±2.9 302±94 213.3±89.0
50-80 6 59.8±6.5 3.8±0.9 19.9±1.1 168±10 121.4±39.0
30-49 6 40.9±5.1 3.2±0.6 25.1±5.7 138±28 68.6±32.1
<30 5 22.9±5.3 2.8±0.7 33.7±2.1 99±6 29.5±11.4
透析を必要とする末期腎不全患者<30 5 8.8±1.4 2.8±0.5 53.2±9.9 64±12

平均値±標準偏差
算出不能:-

表3 腎障害を有する患者におけるテノホビル製剤(300mg)の単回投与後の薬物動態パラメータ
CLcr(mL/min) 例数 Cmax(ng/mL) AUC(ng・hr/mL) CL/F(mL/min) CLrenal(mL/min)
>80 3 335.5±31.8 2184.5±257.4 1043.7±115.4 243.5±33.3
50-80 10 330.4±61.0 3063.8±927.0 807.7±279.2 168.6±27.5
30-49 8 372.1±156.1 6008.5±2504.7 444.4±209.8 100.6±27.5
<30(12-28)注9) 11 601.6±185.3 15984.7±7223.0 177.0±97.1 43.0±31.2

平均値±標準偏差

注9)CLcrが10mL/min未満で,透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。

4.薬物相互作用

本剤による薬物相互作用試験は実施されていないため,エムトリシタビン製剤又はテノホビル製剤による成績を示す。エムトリシタビン製剤及びテノホビル製剤の併用投与と,両製剤の単独投与とを比較したところ,エムトリシタビン及びテノホビルの定常状態の薬物動態に変化は認められなかった。

(1)エムトリシタビン製剤の薬物相互作用

臨床使用量で血漿中に認められた濃度の14倍まで濃度を上昇させても,エムトリシタビンはヒトチトクロームP450分子種(CYP1A2,CYP2A6,CYP2B6,CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6及びCYP3A4)によるin vitro薬物代謝を阻害しなかった。エムトリシタビンはグルクロン酸抱合を担う酵素(ウリジン-5'-二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼ)を阻害しなかった。これらのin vitro実験結果及び確認されているエムトリシタビンの排泄経路を考慮すると,ヒトチトクロームP450を介するエムトリシタビンと他の薬剤との相互作用が生じる可能性は低い。

健康成人志願者を対象にエムトリシタビンとテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩,インジナビル,サニルブジン及びジドブジンとの併用における薬物動態の評価を行った。併用薬がエムトリシタビンの薬物動態に及ぼす影響及びエムトリシタビンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表4,5に示す。

表4 併用薬投与時のエムトリシタビン(エムトリシタビン製剤投与)の薬物動態パラメータ変化率
併用薬 併用薬の用量 エムトリシタビンの用量 例数 エムトリシタビンの薬物動態パラメータの変化率(%)
(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 300mg
1日1回
7日間
200mg
1日1回
7日間
17 ↑20
(↑12~↑29)
インジナビル 800mg
1回
200mg
1回
12
サニルブジン 40mg
1回
200mg
1回
6
ジドブジン 300mg
1日2回
7日間
200mg
1日1回
7日間
27

上昇:↑,不変:⇔,算出不能:-

表5 エムトリシタビン製剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬 併用薬の用量 エムトリシタビンの用量 例数 併用薬の薬物動態パラメータの変化率(%)
(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 300mg
1日1回
7日間
200mg
1日1回
7日間
17
インジナビル 800mg
1回
200mg
1回
12
サニルブジン 40mg
1回
200mg
1回
6
ジドブジン 300mg
1日2回
7日間
200mg
1日1回
7日間
27 ↑17
(↑0~↑38)
↑13
(↑5~↑20)

上昇:↑,不変:⇔,算出不能:-

(2)テノホビル製剤の薬物相互作用

In vivoにおいて認められる濃度よりもはるかに高濃度(約300倍)において,テノホビルはヒトチトクロームP450分子種(CYP3A4,CYP2D6,CYP2C9又はCYP2E1)を阻害しなかったが,CYP1Aをわずかに(6%)阻害した。

テノホビルは,糸球体濾過と尿細管への能動輸送により腎排泄される。尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と本剤を併用した場合,この排泄経路における競合によりテノホビル又は併用薬の血清中濃度が上昇する可能性がある。

テノホビル製剤と主な薬剤との併用による,薬物動態への影響を下表に示す(表6及び表7)。

また,表8にテノホビル製剤とジダノシンとの相互作用を示す。

表6 併用薬投与時のテノホビル(テノホビル製剤300mg1日1回投与)の薬物動態パラメータ変化率
併用薬 併用薬の用量 例数 テノホビルの薬物動態パラメータの変化率(%)
(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
アバカビル 300mg 1回 8
ラミブジン 150mg 1日2回,7日間 15
ジダノシン(腸溶剤) 400mg 1回 25
ジダノシン (制酸剤含有) 250あるいは400mg注10) 1日1回,7日間 14
インジナビル 800mg 1日3回,7日間 13 ↑14 (↓3~↑33)
ロピナビル/リトナビル ロピナビル/リトナビル:400/100mg 1日2回,14日間 24 ↑32 (↑25~↑38) ↑51 (↑37~↑66)
エファビレンツ 600mg 1日1回,14日間 29
アタザナビル硫酸塩 400mg 1日1回,14日間 33 ↑14 (↑8~↑20) ↑24 (↑21~↑28) ↑22 (↑15~↑30)
アデホビルピボキシル 10mg 1回 22
エムトリシタビン 200mg 1日1回,7日間 17
ネルフィナビル 1250mg 1日2回,14日間 29
サキナビル/リトナビル サキナビル/リトナビル:1000/100mg 1日2回,14日間 35 ↑23 (↑16~↑30)

上昇:↑,低下:↓,不変:⇔,未算出:-

注10)体重60kg未満:250mg,60kg以上:400mg

表7 テノホビル製剤(300mg1日1回)投与時の併用薬の薬物動態パラメータ変化率
併用薬 併用薬の用量 例数 併用薬の薬物動態パラメータの変化率(%)
(90%信頼区間)
Cmax AUC Cmin
アバカビル 300mg 1回 8 ↑12 (↓1~↑26)
ラミブジン 150mg 1日2回,7日間 15 ↓24 (↓34~↓12)
経口避妊薬 エチニルエストラジオール/ノルゲスチメート 1日1回,7日間 20
インジナビル 800mg 1日3回,7日間 12 ↓11 (↓30~↑12)
ロピナビル ロピナビル/リトナビル:400/100mg 1日2回,14日間 24
リトナビル ロピナビル/リトナビル:400/100mg 1日2回,14日間 24
エファビレンツ 600mg 1日1回,14日間 30
アタザナビル硫酸塩 400mg 1日1回,14日間 34 ↓21 (↓27~↓14) ↓25 (↓30~↓19) ↓40 (↓48~↓32)
アタザナビル硫酸塩 アタザナビル/リトナビル:300/100mg 1日1回,42日間 10 ↓28 (↓50~↑5) ↓25注11) (↓42~↓3) ↓23注11) (↓46~↑10)
リバビリン 600mg 1回 22
アデホビルピボキシル 10mg 1回 22
エムトリシタビン 200mg 1日1回,7日間 17 ↑20
(↑12~↑29)
ネルフィナビル 1250mg 1日2回,14日間 29
M8代謝体 1250mg 1日2回,14日間 29
サキナビル サキナビル/リトナビル:1000/100mg 1日2回,14日間 32 ↑22 (↑6~↑41) ↑29 (↑12~↑48) ↑47 (↑23~↑76)
リトナビル サキナビル/リトナビル:1000/100mg 1日2回,14日間 32 ↑23 (↑3~↑46)

上昇:↑,低下:↓,不変:⇔,算出不能:-

注11)HIV感染患者において,テノホビル製剤にアタザナビル300mg及びリトナビル100mgを併用した場合,アタザナビルのAUC及びCminは,アタザナビル400mgを単独投与した場合と比較してそれぞれ2.3倍及び4倍上昇した。

表8 テノホビル製剤(300mg1日1回)投与時のジダノシンの薬物動態パラメータ変化率
ジダノシンの用量/
投与方法注12)
テノホビル製剤の投与方法注12) 例数 ジダノシン空腹時400mg投与時に対する
薬物動態パラメータの変化率(%)
(90%信頼区間)
Cmax AUC
制酸剤含有製剤400mg注13) 1日1回,7日間 空腹時 ジダノシン投与後 1時間 14 ↑28 (↑11~↑48) ↑44 (↑31~↑59)
腸溶剤 空腹時 400mg,1回 食後 ジダノシン投与後 2時間 26 ↑48 (↑25~↑76) ↑48 (↑31~↑67)
食後 400mg,1回 ジダノシンと同時投与 26 ↑64 (↑41~↑89) ↑60 (↑44~↑79)
空腹時 250mg,1回 食後 ジダノシン投与後 2時間 28 ↓11 (↓22~↑3)
空腹時 250mg,1回 ジダノシンと同時投与 28 ↑14 (0~↑31)
食後 250mg,1回 ジダノシンと同時投与 28 ↓29 (↓39~↓18) ↓11 (↓23~↑2)

上昇:↑,低下:↓,不変:⇔

注12) 食後投与の食事は軽食(約373kcal,20%が脂肪由来)

注13) 体重60kg以下の症例4例含む(ジダノシンは250mg投与)

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臨床成績

<外国人における成績>

1.934試験:エファビレンツにエムトリシタビン製剤+テノホビル製剤又はジドブジン/ラミブジン配合剤を併用した比較試験3)

抗レトロウイルス薬による治療を未経験者の患者511例を対象とし,エファビレンツにエムトリシタビン製剤+テノホビル製剤又はジドブジン/ラミブジン配合剤を併用した多施設非盲検試験を実施した。

患者の平均年齢は38歳,86%が男性であり,59%が白人,23%が黒人であった。試験開始時の平均CD4リンパ球数は,245cells/mm3,血漿中HIV-1 RNA量の中央値は5.01log10copies/mLであった。試験開始時のCD4リンパ球数が<200cells/mm3の患者は41%,血漿中HIV-1 RNA量が>100,000copies/mLの患者は51%であった。試験開始時にエファビレンツ抵抗性を有していなかった患者の試験開始後48週の結果を表9に示す。

表9 934試験臨床試験結果(48週評価)
結果 エムトリシタビン製剤+テノホビル製剤投与群(N=244) ジドブジン/ラミブジン配合剤投与群(N=243)
有効例注14) 84% 73%
無効例注15) 2% 4%
 再上昇例 1% 3%
 無反応例 0% 0%
 他剤変更例 1% 1%
死亡例 <1% 1%
有害事象による中止例 4% 9%
その他の理由による中止例注16) 10% 14%

注14)血漿中HIV-1 RNA量が<400copies/mLに至り試験開始後48週まで維持していた症例

注15)血漿中HIV-1 RNA量が<400copies/mLに至らなかった症例及び至った後に再上昇した症例

注16)患者追跡不能例,患者申出による脱落例,服薬不良例,プロトコール不遵守例など

また,試験開始後48週の血漿中HIV-1 RNA量が<50copies/mLであった患者の比率は,エムトリシタビン製剤+テノホビル製剤投与群で80%,ジドブジン/ラミブジン配合剤投与群で70%であった。

さらに,試験開始後48週のCD4リンパ球数の平均増加量は,エムトリシタビン製剤+テノホビル製剤投与群で190cells/mm3,ジドブジン/ラミブジン配合剤投与群で158cells/mm3であった。試験開始後48週でCDC分類のカテゴリーCの事象を発現した症例は,エムトリシタビン製剤+テノホビル製剤投与群で7例,ジドブジン/ラミブジン配合剤投与群で5例であった。

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薬効薬理

1.作用機序

エムトリシタビン
エムトリシタビンは,シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり,細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5'-三リン酸となる。エムトリシタビン5'-三リン酸はHIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5'-三リン酸と競合すること,及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後に,DNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β,ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するエムトリシタビン5'-三リン酸の阻害作用は弱い。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は,アデノシン一リン酸の非環状ヌクレオシド・ホスホン酸ジエステル誘導体である。テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩からテノホビルへの変換には,ジエステルの加水分解が必要であり,その後細胞内酵素によりリン酸化を受け,テノホビル二リン酸となる。テノホビル二リン酸は,HIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5'-三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱い。

2.抗ウイルス作用(in vitro4)

エムトリシタビン+テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
エムトリシタビンとテノホビルの併用により抗ウイルス活性を評価した試験では,相乗的な抗ウイルス作用が認められた。
エムトリシタビン
ヒトリンパ芽球様細胞株,MAGI-CCR5細胞株及び末梢血単核細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するエムトリシタビンの抗ウイルス活性を評価した。エムトリシタビンの50%阻害濃度(IC50値)は,0.0013~0.64μMの範囲であった。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するテノホビルの抗ウイルス活性を,ヒトリンパ芽球様細胞株,単球/マクロファージ初代培養細胞及び末梢血リンパ球において評価した。テノホビルのIC50値は,0.04~8.5μMの範囲であった。

3.薬剤耐性

エムトリシタビン+テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
エムトリシタビンとテノホビルのin vitroでの併用により,両剤に対する感受性が低下したHIV-1株を選択した。これらの分離株での遺伝子型解析の結果,ウイルス逆転写酵素遺伝子にM184V/I及び(あるいは)K65R変異が認められた。
934試験において,試験開始後48週までに血漿中HIV-1 RNA量が>400copies/mLとなりウイルス学的失敗となった症例又は試験中止となった症例から分離したHIV-1株の遺伝子型解析を行った。その結果,エファビレンツ関連変異が最も高頻度に認められたが,エムトリシタビン製剤+テノホビル製剤投与群とジドブジン/ラミブジン配合剤投与群との間に差は認められなかった。エムトリシタビン及びラミブジンに関連した変異であるM184Vが,エムトリシタビン製剤+テノホビル製剤投与群では12例中2例(17%)に,ジドブジン/ラミブジン配合剤投与群では22例中7例(32%)に認められた。K65R変異は試験開始後48週まで通常の遺伝子型解析で認められなかったが,さらに投与期間を延長した場合については不明である。
エムトリシタビン
In vitro及びin vivoにおいてエムトリシタビン耐性HIV-1株を得た。これらの分離株の遺伝子型解析により,エムトリシタビンに対する感受性の低下と,HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異との間に関連性が認められた。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
テノホビルに対する感受性が低下したHIV-1分離株をin vitro試験により選択した結果,これらのウイルスは逆転写酵素遺伝子にK65R変異が発現しており,テノホビルに対する感受性が3~4倍低下していた。
抗レトロウイルス薬による治療を未経験の患者では,テノホビル製剤による144週までの治療でK65R変異を持つHIV-1株が8例に認められたが,そのうち7例は48週までに,1例は96週までに検出された。また,治療を経験した患者では,テノホビル製剤の治療によるウイルス学的失敗例304例のうち14例からテノホビル耐性株が認められた。分離された耐性株を遺伝子型解析したところ,HIV-1逆転写酵素遺伝子にK65R変異が発現していた。

4.交差耐性5)

エムトリシタビン+テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
これまでに一部の核酸系逆転写酵素阻害薬の間には交差耐性が認められている。
エムトリシタビンとテノホビルの併用でin vitroにおいて選択されたM184V/I及び(あるいは)K65R変異は,テノホビルとラミブジンあるいはエムトリシタビンの併用による治療,アバカビルによる治療,あるいはジダノシンによる治療に失敗した患者由来のHIV-1分離株からも認められている。したがって,これらの変異の両方あるいは一方を持つウイルスを有する患者では,これらの薬剤間で交差耐性を起こす可能性がある。
エムトリシタビン
エムトリシタビン耐性株(M184V/I)はラミブジン及びザルシタビンに対して交差耐性を示したが,ジダノシン,サニルブジン,テノホビル,ジドブジン及び非核酸系逆転写酵素阻害薬(デラビルジン,エファビレンツ及びネビラピン)に対してはin vitroで感受性を維持した。アバカビル,ジダノシン,テノホビル及びザルシタビンによりin vivoで選択されるK65R変異を有するHIV-1分離株では,エムトリシタビンに対する感受性の低下が確認された。ジドブジン関連変異(M41L,D67N,K70R,L210W,T215Y/F,K219Q/E)又はジダノシン関連変異(L74V)を有するウイルスは,エムトリシタビンに対する感受性を維持した。非核酸系逆転写酵素阻害薬耐性と関連づけられるK103N変異を有するHIV-1は,エムトリシタビンに対して感受性を示した。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
平均3ヵ所のジドブジン関連変異(M41L,D67N,K70R,L210W,T215Y/F又はK219Q/E/N)を有するHIV-1臨床分離株(20例)では,テノホビルに対する感受性が3.1倍低下していた。また,T69S変異の後に二アミノ酸が挿入される変異を持つ多剤耐性株においても,テノホビルに対する感受性は低下していた。

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有効成分に関する理化学的知見

一般名
エムトリシタビン Emtricitabine
化学名
4-Amino-5-fluoro-1-[(2R,5S)-2-(hydroxymethyl)-1,3-oxathiolan-5-yl]pyrimidin-2(1H)-one
分子式
C8H10FN3O3S
分子量
247.25
化学構造式
化学構造式
性状
白色~帯黄白色の粉末であり,水,メタノールに溶けやすく,アセトニトリルに溶けにくく,酢酸イソプロピルに極めて溶けにくい。
融点
約155℃
分配係数
-0.43(オクタノール/水)
一般名
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
Tenofovir Disoproxil Fumarate
化学名
Bis(isopropoxycarbonyloxymethyl){[(1R)-2-(6-amino-9H-purin-9-yl)-1-methylethoxy]methyl}phosphonate monofumarate
分子式
C19H30N5O10P・C4H4O4
分子量
635.51
化学構造式
化学構造式
性状
白色~帯黄白色の結晶性の粉末であり,メタノール,エタノール(95)にやや溶けやすく,アセトン,水にやや溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
114~118℃
分配係数
1.25(1-オクタノール/pH6.5のリン酸塩緩衝液)

承認条件

  1. 本剤については,現在,国内外において臨床試験を実施中であることから,使用に当たっては,患者に対して本剤に関して更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中であること等を十分に説明し,インフォームドコンセントを得るよう,医師に要請すること。
  2. 我が国における薬物動態試験については,進捗状況を定期的に報告するとともに,終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。また,海外において現在実施中又は計画中の臨床試験についても,終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。
  3. 再審査期間が終了するまでの間,原則として国内の全投与症例を対象とした市販後調査を実施し,本剤の使用実態に関する情報(患者背景,有効性・安全性(他剤併用時の有効性・安全性を含む。)及び薬物相互作用のデータ等)を収集して定期的に報告するとともに,調査の結果を再審査申請時に申請書添付資料として提出すること。

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【包装】

ツルバダ配合錠 30錠/瓶

【主要文献】

  1. Benaboud S. et al.:Antimicrob Agents Chemother. 55 (3) 1315-1317, 2011
  2. 古家英寿,他:新薬と臨牀 55 (10) 1515, 2006
  3. Gallant J.E. et al.:N. Engl. J. Med. 354 (3) 251, 2006
  4. Schinazi R.F. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 36 (11) 2423, 1992
  5. Miller M.D. et al.:Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids. 20 (4-7) 1025, 2001

【文献請求先】

鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1
TEL:0120-316-834
FAX:03-5203-7335
日本たばこ産業株式会社 医薬事業部 医薬情報部
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-4-1

製造販売元
日本たばこ産業株式会社
東京都港区虎ノ門二丁目2番1号
販売元
鳥居薬品株式会社
東京都中央区日本橋本町3-4-1
提携
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