トリーメク配合錠の添付文書

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コムプレライラスト

商品名: トリーメク配合錠
一般名: ドルテグラビルナトリウム・アバカビル硫酸塩・ラミブジン
略称 : TRI
添付文書の読み方

ここで提供している添付文書情報は、2017年8月現在の各医薬品の添付文書を基に作成したものです。書式等については、実際の添付文書と異なるところがあります。添付文書情報は随時更新されます。ご使用の際は、必ず最新の添付文書をご覧下さい。

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トリーメク配合錠

2017年6月改訂 (第3版)

2016年6月改訂 (第2版)

日本標準商品分類番号 87625
規制区分:
劇薬 処方箋医薬品(注意−医師等の処方箋により使用すること)
貯法:
室温保存
使用期限:
包装に表示
承認番号 22700AMX00630000
薬価収載 2015年3月
販売開始 2015年4月
国際誕生 2014年8月

警告

  1. 過敏症
    1. 海外の臨床試験において、アバカビル投与患者の約5%に過敏症の発現を認めており、まれに致死的となることが示されている。アバカビルによる過敏症は、通常、アバカビル製剤による治療開始6週以内(中央値11日)に発現するが、その後も継続して観察を十分に行うこと。
    2. アバカビルによる過敏症では以下の症状が多臓器及び全身に発現する このような症状が発現した場合は、直ちに担当医に報告させ、アバカビルによる過敏症が疑われたときは本剤の投与を直ちに中止すること。
    3. アバカビルによる過敏症が発現した場合には、決してアバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)を再投与しないこと。本製剤の再投与により数時間以内にさらに重篤な症状が発現し、重篤な血圧低下が発現する可能性及び生命を脅かす可能性がある。
    4. 呼吸器疾患(肺炎、気管支炎、咽頭炎)、インフルエンザ様症候群、胃腸炎、又は併用薬剤による副作用と考えられる症状が発現した場合あるいは胸部X線像異常(主に浸潤影を呈し、限局する場合もある)が認められた場合でも、アバカビルによる過敏症の可能性を考慮し、過敏症が否定できない場合は本剤の投与を直ちに中止し、決して再投与しないこと
    5. 患者に過敏症について必ず説明し、過敏症を注意するカードを常に携帯するよう指示すること。また、過敏症を発現した患者には、アバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)を二度と服用しないよう十分指導すること(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)。
  2. B型慢性肝炎を合併している患者では、ラミブジンの投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[特に、本剤の投与に際しては、アバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)の服用経験を必ず確認し、アバカビルによる過敏症の既往歴がある場合は、決して本剤を投与しないこと(「警告」、「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)。]
  2. 重度の肝障害患者[アバカビルの血中濃度が上昇することにより、副作用が発現するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]

【組成・性状】

1.組成

成分・含量 1錠中にドルテグラビルナトリウム52.6mg(ドルテグラビルとして50mg)、アバカビル硫酸塩702mg(アバカビルとして600mg)、ラミブジン300mgを含有する。
添加物 D-マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、黒酸化鉄、三二酸化鉄、マクロゴール4000、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、酸化チタン

2.性状

本剤は紫色のフィルムコート錠で、識別コード及び形状は下記のとおりである。

販売名 識別コード 側面 質量
トリーメク配合錠 572 Tri 表 長径:約22mm 短径:約11mm
長径:約22mm
短径:約11mm
裏 側面 厚さ:約7.6mm
厚さ:約7.6mm
1720.8mg

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効能・効果

HIV感染症

効能・効果に関連する使用上の注意

  1. 以下のいずれかのHIV感染症患者に使用すること。
    1. 抗HIV薬による治療経験のない患者
    2. インテグラーゼ阻害剤以外の抗HIV薬による治療でウイルス学的抑制が得られていない患者
    3. ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジンの組み合わせによりウイルス学的抑制が得られている患者
  2. 抗HIV薬による治療で既にウイルス学的抑制が得られている患者において、本剤に切り替えた使用経験はないため、ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジンによる治療でウイルス学的抑制が得られている患者以外において、本剤への切り替えは推奨されない。
  3. インテグラーゼ阻害剤に耐性を有する患者に対して、本剤の使用は推奨されない(ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジンの3成分で治療された経験はない)。
  4. 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤による治療経験がある場合には、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対する耐性変異を有している可能性がある)。

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用法・用量

通常、成人には1回1錠(ドルテグラビルとして50mg、アバカビルとして600mg及びラミブジンとして300mgを含有)を食事の有無にかかわらず1日1回経口投与する。

用法・用量に関連する使用上の注意

  1. 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
  2. 本剤はドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてドルテグラビル製剤(テビケイ錠)、アバカビル含有製剤(ザイアジェン錠、エプジコム配合錠)、又はラミブジン含有製剤(エピビル錠、コンビビル配合錠、エプジコム配合錠、ゼフィックス錠)を併用投与しないこと。ただし、本剤とエトラビリン(リトナビルでブーストしたプロテアーゼ阻害剤と併用投与しない場合)、エファビレンツ、ネビラピン、カルバマゼピン又はリファンピシンを併用する場合には、ドルテグラビルとして50mgを1日2回投与する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。

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【使用上の注意】

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

  1. 膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)[膵炎を再発又は発症する可能性がある(「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)。]
  2. 軽度又は中等度の肝障害患者[アバカビルの血中濃度が上昇することにより、副作用が発現するおそれがある(「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]
  3. B型又はC型肝炎ウイルス感染患者[肝機能の悪化(トランスアミナーゼ上昇又は増悪)のおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]
  4. 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
  5. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

2.重要な基本的注意

  1. 本剤はドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、アバカビル又はラミブジンの用量調節が必要な以下の患者には個別のドルテグラビル製剤(テビケイ錠)、アバカビル製剤(ザイアジェン錠)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること。なお、ドルテグラビル製剤、アバカビル製剤及びラミブジン製剤の使用にあたっては、それぞれの製品添付文書を熟読すること。
    1. 腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)を有する患者[ラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
    2. 軽度又は中等度の肝障害患者[アバカビルの血中濃度が上昇することにより、副作用が発現するおそれがある(「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)。]
  2. 本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認すること。
  3. 本剤の再投与を考慮する際は、次のことに注意すること。
    • アバカビルによる過敏症に関連する症状は、再投与により初回より重篤な再発が認められる。重篤な血圧低下をきたし死に至る可能性があるので、アバカビルによる過敏症が疑われた患者には、決して再投与しないこと。
    • アバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)を中止した理由を再度検討し、アバカビルと過敏症との関連性が否定できない場合は再投与しないこと。
    • 投与中止前に過敏症の主な症状(皮疹、発熱、胃腸症状等)の1つのみが発現していた患者には、本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、必要に応じて入院のもとで投与を行うこと。
    • 過敏症の症状又は徴候が認められていなかった患者に対しても、直ちに医療施設に連絡できることを確認した上で投与を行うこと。
  4. 本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
    1. 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること
    2. 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること(「相互作用」の項参照)。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医に報告すること。
    3. 担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと(「相互作用」の項参照)。
    4. アバカビルの投与後過敏症が発現し、まれに致死的となることが報告されている。過敏症を注意するカードに記載されている徴候又は症状である発熱、皮疹、疲労感、倦怠感、胃腸症状(嘔気、嘔吐下痢腹痛等)及び呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、等)等が発現した場合は、直ちに担当医に報告し、本剤の服用を中止すべきか否か指示を受けること。また、過敏症を注意するカードは常に携帯すること。
    5. アバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)の再投与により重症又は致死的な過敏症が数時間以内に発現する可能性がある。したがって、本剤の服用を中断した後に再びアバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)を服用する際には、必ず担当医に相談すること。担当医又は医療施設を変わる場合には本剤の服用歴がある旨を新しい担当医に伝えること。
    6. 本剤を含む現在の抗HIV療法が、性的接触又は血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていない。
    7. 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
  5. アバカビル及びラミブジンを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス全身倦怠食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、上記の乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること(「重大な副作用」の項参照)。
  6. 抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
  7. 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
  8. ラミブジン製剤の投与によりまれに膵炎があらわれることがある。膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。本剤投与中に膵炎を疑わせる重度の腹痛悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の上昇があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止し、画像診断等による観察を十分行うこと(「慎重投与」及び「重大な副作用」の項参照)。
  9. B型及びC型肝炎ウイルス重複感染患者では、ドルテグラビルの投与によりトランスアミナーゼ上昇又は増悪の発現頻度が非重複感染患者より高かったことから、これらの患者に投与する場合には、定期的な肝機能検査を行う等観察を十分に行うこと。

3.相互作用

ドルテグラビルは主にUGT1A1の基質であり、CYP3A4でもわずかに代謝される。また、ドルテグラビルは有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びMultidrug and Toxin Extrusion 1(MATE1)を阻害する。アバカビルは主にアルコールデヒドロゲナーゼ及びUGT2B7で代謝される。ラミブジンはOCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質である(「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。

(1)併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピルシカイニド ピルシカイニドの血漿中濃度を上昇させる可能性がある。併用により、ピルシカイニドで重大な副作用として報告されている心室頻拍、洞停止及び心室細動等の発現及び重篤化があらわれるおそれがあるので、併用中は注意深く観察すること。 ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある。
エトラビリン ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで52%、Cτで88%低下させたとの報告があるので1)、以下の点に注意すること。
  • 本剤と併用する場合には、アタザナビル/リトナビル、ダルナビル/リトナビル、ロピナビル/リトナビルのいずれかを併用投与すること。
  • リトナビルでブーストしたプロテアーゼ阻害剤と併用投与しない場合は、ドルテグラビルとして50mgを1日2回に増量する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。
これらの薬剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。
エファビレンツ ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで39%、Cτで75%低下させたとの報告がある2)。ドルテグラビルとして50mgを1日2回に増量する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。
ネビラピン ドルテグラビルの血漿中濃度を低下させる可能性がある。ドルテグラビルとして50mgを1日2回に増量する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。
ホスアンプレナビル/リトナビル ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで24%、Cτで49%低下させたとの報告がある3)が、HIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない患者に対しては、用量調節の必要はない。 ホスアンプレナビルがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。
カルバマゼピン ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで33%、Cτで73%低下させたとの報告がある4)。ドルテグラビルとして50mgを1日2回に増量する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。 カルバマゼピンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。
フェニトイン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
ドルテグラビルの血漿中濃度を低下させる可能性がある。 これらの薬剤並びにセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。
リファンピシン ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで43%、Cτで72%低下させたとの報告がある5)。ドルテグラビルとして50mgを1日2回に増量する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。 リファンピシンがCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される。
多価カチオン(Mg,Al等)含有製剤 ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで72%、C24で74%低下させる6)。本剤は多価カチオン含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される。 これらの多価カチオンと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される。
鉄剤、カルシウム含有製剤(サプリメント等) ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで35%、C24で32%低下させる6)。食事と同時に摂取する場合を除き、本剤は鉄剤、カルシウム含有製剤の投与2時間前又は6時間後の投与が推奨される。 鉄、カルシウムと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される。
メトホルミン メトホルミンの血漿中濃度をドルテグラビル50mg1日1回投与時及び1日2回投与時でCmaxでそれぞれ66%及び111%上昇させる7)。注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること。 ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある。
エタノール アバカビルの代謝はエタノールによる影響を受ける。アバカビルのAUCが約41%増加したが、エタノールの代謝は影響を受けなかったとの報告がある8) アバカビルがアルコールデヒドロゲナーゼの代謝基質として競合すると考えられている。
メサドン メサドンのクリアランスが22%増加したことから、併用する際にはメサドンの増量が必要となる場合があると考えられる。なお、アバカビルの血中動態は臨床的意義のある影響を受けなかった(Cmaxが35%減少し、tmaxが1時間延長したが、AUCは変化しなかったとの報告がある)。 機序不明
スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。 腎臓における排泄がラミブジンとトリメトプリムで競合すると考えられている。
エムトリシタビン 細胞内におけるエムトリシタビン三リン酸化体が減少し、ラミブジン及びエムトリシタビンの効果が減弱するとの報告がある。 エムトリシタビンにより選択されるHIV-1逆転写酵素遺伝子の耐性変異はラミブジンと同様にM184V/Iが主であり、ラミブジンとエムトリシタビンの薬剤耐性を含むウイルス学的特性は類似している。

4.副作用

海外の臨床試験(ING114467、ING113086、ING114915、ING112276)において、抗HIV薬による治療経験のない患者を対象として、ドルテグラビル50mg及びアバカビル/ラミブジン(600/300mg)を併用投与した場合の副作用は40%(679例中274例)に認められ、主な副作用は悪心(12%)、不眠症(7%)、頭痛(6%)及び浮動性めまい(6%)であった。

(1)重大な副作用注)

  1. 過敏症(頻度不明):アバカビルの投与により発熱又は皮疹を伴う多臓器及び全身性の過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、以下に示すような徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
    皮膚
    皮疹(通常、斑状丘疹性皮疹又は蕁麻疹多形紅斑
    消化器
    嘔気、嘔吐下痢腹痛、口腔潰瘍
    呼吸器
    呼吸困難、咽頭痛、急性呼吸促迫症候群、呼吸不全
    精神神経系
    頭痛、感覚異常
    血液
    リンパ球減少
    肝臓
    肝機能検査値異常(AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇)、肝不全
    筋骨格
    筋痛、筋変性(横紋筋融解、筋萎縮等)、関節痛、CK(CPK)上昇
    泌尿器
    クレアチニン上昇、腎不全
    結膜炎
    その他
    発熱、嗜眠、倦怠感、疲労感浮腫、リンパ節腫脹、血圧低下、粘膜障害、アナフィラキシー

    ※アバカビルによる過敏症発現患者のうち10%以上にみられた症状

  2. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):薬剤性過敏症症候群があらわれることがある。初期症状として発疹発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、好酸球増多等を伴う遅延性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、投与中止後も発疹発熱肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること(「重要な基本的注意」の項参照)。
  3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)及び皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、眼充血、顔面の腫脹、口唇・口腔粘膜や陰部のびらん、皮膚や粘膜の水疱、紅斑、咽頭痛、そう痒全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
  4. 重篤な血液障害(1%未満):赤芽球癆、汎血球減少貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  5. 膵炎(頻度不明):膵炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  6. 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明):乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  7. 横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  8. ニューロパチー(頻度不明)、錯乱状態(1%未満)、痙攣(頻度不明):ニューロパチー、錯乱状態、痙攣があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  9. 心不全(1%未満):心不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用注)

  1%以上 1%未満 頻度不明
免疫系   免疫再構築炎症反応症候群  
精神・神経系 不眠症、頭痛、浮動性めまい、異常な夢、うつ病、傾眠、睡眠障害 錯感覚、不安、嗜眠、自殺企図 末梢性ニューロパチー、感情障害、自殺念慮
消化器 悪心下痢嘔吐、鼓腸、腹部膨満、消化不良、腹部不快感、胃食道逆流性疾患 上腹部痛、腹痛、胃炎 痔核、腹部硬直
肝臓   肝炎  
皮膚 そう痒症、脱毛 発疹、ざ瘡、多汗症、皮膚炎 湿疹、毛包炎
全身症状 疲労、無力症 異常感、熱感、インフルエンザ様疾患、酩酊感、易刺激性、乳頭炎 発熱、体温調整障害、疼痛、倦怠感
代謝及び栄養障害   食欲減退 体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部、顔面の脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、アミラーゼ増加、高乳酸血症、脱水
耳及び迷路障害     耳管炎
筋骨格   関節痛、筋肉痛、筋痙直 筋障害、骨痛
感染症   鼻炎 敗血症
呼吸器   咳嗽 呼吸困難、口腔咽頭痛、肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、呼吸障害、上気道の炎症
血液     リンパ球減少症、リンパ節症
心臓     心筋症
臨床検査   ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、血中クレアチニン増加、肝機能検査異常、血中ブドウ糖増加 体重減少、血中ブドウ糖減少、総蛋白増加、総蛋白減少、血中重炭酸塩増加、血中重炭酸塩減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中トリグリセリド増加、血中コレステロール増加、血中尿酸増加、平均赤血球容積増加

注)副作用の頻度については、成人HIV感染症患者を対象とした海外臨床試験成績(ING114467、ING113086、ING114915、ING112276)に基づき記載した。

5.高齢者への投与

ドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの高齢者における薬物動態は検討されていない。一般に高齢者では生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、合併症を有している又は他の薬剤を併用している場合が多いので、患者の状態を観察しながら注意して投与すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験においてドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンに関して次のことが報告されている。
    ドルテグラビル:ラットで胎盤移行が認められている9)
    アバカビル:動物において、アバカビル又はその代謝物は胎盤通過性であることが示されている。また、動物(ラットのみ)において、アバカビルの500mg/kg/日又はそれ以上の投与量[臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の約28倍]で、胚又は胎児に対する毒性(胎児の浮腫、変異及び奇形、吸収胚、体重減少、死産の増加)が認められたとの報告がある。
    ラミブジン:ラミブジンはヒト胎盤を通過する。出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中濃度と同じであることが報告されている。なお、動物実験(ウサギ)で胎児毒性(早期の胚死亡数の増加)が報告されている。
    アバカビル/ラミブジン共通:ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。また、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。]
  2. 本剤投与中は授乳を中止させること。[ドルテグラビル:ラットにおいてドルテグラビルが乳汁中に移行することが報告されており、ヒトにおいても乳汁中に移行することが予想される9)。アバカビル:アバカビルの母体血漿中濃度と乳汁中濃度の比率は0.9であることが報告されている10)
    ラミブジン:経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)11)。また、ラミブジンの母体血漿中濃度と乳汁中濃度の比率は0.6〜3.3であることが報告されている。乳児の血清中のラミブジン濃度は18〜28ng/mLであったとの報告がある。また、一般に、HIVの乳児への移行を避けるため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない。]

7.小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

8.過量投与

徴候・症状:ドルテグラビルの過量投与によるデータは限られている。臨床試験においてドルテグラビル1回250mgまで健康成人に投与されたが、予測できない副作用は報告されていない。なお、アバカビル、ラミブジン共に急性過量投与による特有の徴候、症状は認められていない。

処置:本剤の過量投与に対して特別な治療法はない。過量投与の場合には、注意深く観察し、必要に応じて適切な支持療法を行うこと。ドルテグラビルは高い蛋白結合率を有するため、血液透析により除去できる可能性は低い。具体的なデータは示されていないが、ラミブジンは透析可能であることから、必要に応じ血液透析を行うことを考慮すること。なお、アバカビルが腹膜透析や血液透析により除去されるかどうかは明らかでない。

9.その他の注意

  1. 本剤の有効成分の一つであるアバカビルについては、細菌を用いた試験では変異原性を認めなかったが、ヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験、マウスリンフォーマ試験及びin vivo小核試験では陽性を認めた。これらの結果は、in vivo及びin vitroにおいて、本剤の高濃度を用いた場合に弱い染色体異常誘発作用を有することを示している。
  2. 本剤の有効成分の一つであるアバカビルについては、マウス及びラットにおける長期がん原性試験において、包皮腺、陰核腺、肝臓、膀胱、リンパ節、皮下組織等に悪性腫瘍がみられたとの報告がある[臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の21〜28倍。ただし包皮腺(ヒトにおいて該当する器官は存在しない)の腫瘍については約5倍。]ので、ヒトに対する潜在的危険性と治療上の有益性を十分に検討すること。
  3. 本剤の有効成分の一つであるアバカビルについては、アバカビルを2年間投与したマウス及びラットにおいて、軽度心筋変性が認められた[臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の7〜21倍の用量]。
  4. 本剤の有効成分の一つであるラミブジンについては、遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告がある。また、長期のがん原性試験において発がん性を認めなかったとの報告がある。[ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では300μg/mL以上、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では2000μg/mL以上で陽性を示した。マウス及びラットを用いた長期のがん原性試験では、臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の10倍(マウス)及び58倍(ラット)までの曝露量において、発がん性は認められなかった。]
  5. 海外で実施されたプロスペクティブ試験(1956例)において、アバカビルの投与開始前にHLA-B5701のスクリーニングを実施しない群と、スクリーニングを実施しHLA-B5701保有者を除外した群における臨床症状から疑われる過敏症の発現頻度が、それぞれ7.8%(66/847)、3.4%(27/803)、皮膚パッチテストにより確認された過敏症の発現頻度が、それぞれ2.7%(23/842)、0.0%(0/802)であり、HLA-B5701のスクリーニングの実施により過敏症の発現頻度が統計学的に有意に低下する(p<0.0001)ことが示された。また、本試験結果ではHLA-B5701をスクリーニングしない群において臨床症状から過敏症が疑われた66例中30例、皮膚パッチテストにて確認された過敏症症例23例全例がHLA-B5701を有していた。
    日本人における過敏症とHLA-B5701保有の関連性については不明であり、HLA-B5701の保有率は白人では5〜8%、日本人では0.1%との報告がある。
  6. 抗HIV薬の多剤併用療法を受けている患者を対象に心筋梗塞の発現頻度を調査したプロスペクティブ観察疫学研究において、アバカビルの使用開始から6ヵ月以内の患者で心筋梗塞のリスクが増加するとの報告があるが、臨床試験の統合解析を実施した結果、対照群と比較してアバカビル投与群の過度な心筋梗塞のリスクは認められなかった。アバカビルと心筋梗塞の関連については、現在のところ結論は出ていない。予防措置として、アバカビルを含む抗HIV療法を開始する場合には、冠動脈性心疾患の潜在的リスクを考慮し、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙等の改善可能なすべてのリスク因子を最小化させるための措置をとること。

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薬物動態

<日本人における成績>

1.本剤投与時の成績12)

日本人健康成人(12例)に本剤を空腹時に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの薬物動態パラメータを表-1に示す。

表-1 本剤単回投与時の薬物動態パラメータ
  Cmax
μg/mL)
AUC0-inf
μg・h/mL)
AUC0-t
μg・h/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
ドルテグラビル 4.21
(0.84)
75.2
(15.1)
73.0
(14.6)
3.50
(1.02-5.00)
14.0(2.77)
アバカビル 5.38
(1.44)
18.7
(4.0)
18.6
(4.0)
1.01
(0.98-3.00)
2.84
(1.06)
ラミブジン 3.43
(0.81)
16.8
(1.7)
16.7
(1.7)
2.98
(2.00-4.00)
19.6
(5.59)

n=12、平均値±標準偏差、※中央値(最小値−最大値)

2.ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績13)

日本人健康成人男性(6例)及び女性(4例)にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータを表-2に示す。ドルテグラビルは投与後約3時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は約15時間であった。また、日本人における薬物動態は外国人における薬物動態と同様であった。

表-2 日本人健康成人にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
Cmax
μg/mL)
Tmax
(h)
AUC0-inf
μg・h/mL)
t1/2
(h)
C24
μg/mL)
2.37±1.23 3.0(2.0-4.0) 47.7±24.6 14.7±1.56 0.73±0.36

平均値±標準偏差(n=10)、Tmax:中央値(範囲)

3.アバカビル・ラミブジン製剤での成績14)

アバカビル・ラミブジン製剤を空腹時単回投与したときのアバカビル、ラミブジンの薬物動態パラメータを表-3に示す。

表-3 アバカビル・ラミブジン製剤を単回投与した時の薬物動態パラメータ
  Cmax
μg/mL)
AUClast
μg・h/mL)
AUC0-τ
μg・h/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
アバカビル 5.68
(2.04)
12.56
(4.01)
12.89
(4.22)
1.00
(0.50-1.03)
1.50
(0.16)
ラミブジン 3.58
(0.61)
13.81
(3.56)
16.30
(5.058)
2.00
(1.00-3.00)
2.49
(0.55)

n=9、平均値±標準偏差、※中央値(最小値-最大値)

<外国人における成績>

1.本剤投与時の成績15)

外国人健康成人(62例)に本剤を空腹時に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの薬物動態パラメータを表-4に示す。

表-4 本剤単回投与時の薬物動態パラメータ
  Cmax
μg/mL)
AUC0-inf
μg・h/mL)
AUC0-t
μg・h/mL)
Tmax
(h)
t1/2
(h)
ドルテグラビル 2.53
(0.70)
47.12
(15.41)
42.75
(13.15)
3.00
(1.0-8.0)
13.00
(2.72)
アバカビル 4.13
(0.95)
14.35
(3.54)
14.32
(3.53)
2.00
(0.5-3.0)
2.69
(0.84)
ラミブジン 2.20
(0.64)
13.13
(3.22)
12.70
(3.24)
3.00
(1.0-5.0)
16.28
(7.69)

n=62、平均値±標準偏差、※中央値(最小値−最大値)

1.吸収

  1. ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績16)〜18)
    ドルテグラビル製剤は経口投与により速やかに吸収され、投与後約2〜3時間で最高血漿中濃度に達した。ドルテグラビル製剤を経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの曝露量は、2〜100mgの範囲では投与量増加の割合を下回って増加した16),17)が、25〜50mgの範囲では投与量にほぼ比例して増加した18)
  2. アバカビル硫酸塩単独投与での成績19)〜21)
    HIV感染症患者(12例)を対象にアバカビル製剤100、300、600、900、1200mgを単回経口投与した場合、Cmax及びAUC0-infは投与量に依存して上昇した。未変化体の血漿中濃度は投与約1.5時間後に最高濃度に達し、消失半減期は約1.5時間であった19)
    一方、HIV感染症患者(20例)を対象にアバカビル製剤300mgを1日2回投与した場合の定常状態におけるCmaxは約3μg/mL、12時間までのAUCは約6μg・h/mLであった20)。また、生物学的利用率は約83%であった21)
    また、HIV感染症患者(27例)を対象にアバカビル製剤600mg1日1回投与時とアバカビル製剤300mg1日2回投与時の定常状態における薬物動態パラメータを比較した結果、細胞内カルボビル三リン酸の曝露は、アバカビル製剤600mg1日1回投与時の方が大きく、AUC0-24、Cmax及びCτがそれぞれ32%、99%及び18%増加した。
  3. ラミブジン単独投与での成績22),23)
    成人HIV感染者に2mg/kgを1日2回15日間経口投与したとき、初回投与時では投与1.5時間後に最高血中濃度の1.5μg/mLに達し、半減期は2.6時間であり、15日間投与後では血中濃度は定常状態に達し、最高血中濃度は1.9μg/mLであった。また、成人HIV感染者に0.25〜8mg/kgを単回経口投与したときの生物学的利用率は約82%であった。

2.分布

  1. ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績24)〜26)
    ドルテグラビルのヒト血漿蛋白結合率は約99.3%であった(in vitro)24)。健康成人男性にドルテグラビル20mg(懸濁液)を単回経口投与した時の見かけの分布容積は12.5Lであった。血液/血漿比(平均値)は0.441〜0.535であり、ドルテグラビルの血球移行性は低かった(5%未満)。In vitroにおいて、ドルテグラビルはヒトP糖蛋白質及びヒトBreast Cancer Resistance Proteinの基質である25),26)。血漿中ドルテグラビルの遊離分画は健康成人で約0.2〜1.1%、中等度の肝機能障害患者で約0.4〜0.5%、重度の腎機能障害患者で約0.8〜1.0%、HIV感染症患者で0.5%であった。
    ドルテグラビルは脳脊髄液中にも分布する。ドルテグラビル製剤50mg及びアバカビル/ラミブジン(600/300mg)が併用投与された抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者(11例)において、ドルテグラビルの脳脊髄液中濃度(中央値)は18ng/mLであり、血漿中濃度の0.11〜0.66%であった。
    ドルテグラビルは女性及び男性の生殖器に分布する。健康成人女性にドルテグラビル製剤50mg/日を5〜7日間経口投与した時の子宮頸膣液、子宮頸部組織及び膣組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの6〜10%であった。また、健康成人男性にドルテグラビル製剤50mg/日を8日間経口投与した時の精液及び直腸組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの7及び17%であった。
  2. アバカビル硫酸塩単独投与での成績10),21),27)
    HIV感染症患者(6例)を対象にアバカビルを150mg静脈内投与したときの見かけの分布容積は約0.86L/kgであり、広く組織に分布することが示唆された10),21)
    アバカビルは10μg/mLまでの添加濃度範囲で、ヒト血漿タンパク結合率は49%と一定であった。また、血液及び血漿中放射能濃度が同じであったことから、本薬は血球に直ちに分布することが示された10)
    HIV感染症患者におけるアバカビルの脳脊髄液(CSF)への移行は良好で、血漿中AUCに対するCSF中AUCの比は30〜44%であった10),27)。アバカビル600mg1日2回投与時の最高濃度の実測値はIC50(0.08μg/mLあるいは0.26μM)の9倍であった10)
  3. ラミブジン単独投与での成績28)
    成人HIV感染者に4〜10mg/kgを1日2回2週間以上反復経口投与したとき、投与2時間後の脳脊髄液中濃度は血中濃度の約6%であった28)

3.代謝・排泄

  1. ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績29)〜32)
    ドルテグラビルは主に肝臓でUGT1A1でグルクロン酸抱合される29)。また、ドルテグラビルはCYP3Aでわずかに代謝され30)、健康成人に14C-ドルテグラビル20mg(懸濁液)を単回経口投与した時の総投与量の約9.7%が酸化的代謝物として尿糞中に回収された。
    健康成人にドルテグラビル20mgを単回経口投与した時の主な排泄経路は糞であり、経口投与量の53%が未変化体として糞中に排泄された。また、尿中には経口投与量の31%が排泄され、その内訳は18.9%がエーテル型グルクロン酸抱合体、3.6%がN-脱アルキル体、3.0%がベンジル位の酸化体であり、未変化体は1%未満であった。In vitroにおいて、ドルテグラビルはヒト有機アニオントランスポーター1(OAT1)、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2-Kを介した輸送を阻害した(IC50:それぞれ2.12、1.97、1.93、6.34及び24.8μM)31),32)
  2. アバカビル硫酸塩単独投与での成績10),27),33)
    ヒトにおける主要代謝物は、5'-カルボン酸体及び5'-グルクロン酸抱合体であった27)。ヒト肝由来試料を用いたin vitro試験から、アバカビルは肝可溶性画分により酸化的代謝を受け5'-カルボン酸体を生成したが、肝ミクロソーム画分ではアバカビルの酸化的代謝は起こらなかった。アバカビルの酸化代謝にはチトクロームP-450ではなく、アルコールデヒドロゲナーゼ/アルデヒドデヒドロゲナーゼ系が関与していた。なお、これらの代謝物には抗ウイルス活性はなかった。また、ヒトUGT発現系を用いたin vitro試験において、アバカビルはUGT2B7でのみ代謝された33)
    さらに、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、臨床使用量での血漿中濃度ではチトクロームP-450分子種CYP2D6、2C9及び3A4を阻害しないことが示唆された10)
    アバカビルは細胞内で活性代謝物であるカルボビル三リン酸に代謝される。HIV感染症患者(20例)にアバカビル300mg1日2回投与した時の定常状態における細胞内カルボビル三リン酸の半減期は20.6時間であった。
    HIV感染症患者(6例)を対象に14C標識アバカビル600mgを単回経口投与後、薬物体内動態を検討した。総放射能の約99%が排泄され、主な排泄経路は尿(約83%)であり、糞中には約16%排泄された。尿中に排泄された放射能の約1%は未変化体であり、約30%が5'-カルボン酸体、約36%が5'-グルクロン酸抱合体であった27)
  3. ラミブジン単独投与での成績34)〜36)
    ヒトでの主代謝体はトランス-スルホキシド体(1-[(2R,5S)-trans-2-hydroxymethyl-1,3-oxathiolan-3-oxide-5-yl]cytosine)であった。成人HIV感染者に2mg/kgを経口投与したとき、投与後12時間尿中にトランス-スルホキシド体が投与量の5.2%存在した。
    また、血中濃度が定常状態での未変化体排泄率は約73%であり、腎排泄がラミブジンの体内からの除去の主要な経路であることが示された34)
    In vitroにおいて、ラミブジンはOCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質である35),36)

4.生物学的同等性

健康成人62例に、本剤1錠、ドルテグラビル製剤(ドルテグラビル50mgを含有する製剤)及びアバカビル・ラミブジン製剤(アバカビル600mg及びラミブジン300mgを含有する製剤)各1錠を空腹時に単回経口投与し、生物学的同等性を評価した。

本剤投与時とドルテグラビル製剤及びアバカビル・ラミブジン製剤の併用投与時のドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンのAUC0-t、AUC0-inf及びCmaxは、生物学的同等性の判定基準(平均値の比の90%信頼区間が0.80〜1.25の範囲内)を満たし、生物学的同等性が示された。

5.食事の影響

健康成人12例に、高脂肪食(869kcal、53%が脂肪由来)摂取後に本剤を経口投与したとき、空腹時投与時と比較して、ドルテグラビルのAUC0-inf及びCmaxがそれぞれ48及び37%増加した。また、ラミブジンのAUC0-inf及びCmax、アバカビルのAUC0-infに変化は認められなかったが、アバカビルのCmaxは23%低下した。

6.小児等への投与

小児患者における本剤の薬物動態は確立していない。

12歳以上18歳未満の小児患者におけるドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの薬物動態は成人と同様であった。

7.腎機能障害患者

  1. ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績37)
    重度の腎機能障害(8例、クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)を有する患者にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した。その結果、重度の腎機能障害患者における薬物動態は健康成人との間に臨床的に重要である差はみられなかったことから、腎機能障害患者に対してドルテグラビル製剤の用量調節を行う必要はない。なお、透析患者でのドルテグラビルの薬物動態に及ぼす影響については検討していない。
  2. アバカビル硫酸塩単独投与での成績38)
    腎疾患患者(GFR:<10mL/min)におけるアバカビルの薬物動態は、腎機能が正常な患者の薬物動態と同様であった。
  3. ラミブジン単独投与での成績39)
    腎機能の低下したHIV患者にラミブジンを300mg単回経口投与したとき、クレアチニンクリアランスの低下につれてAUC及び最高血中濃度が増加し、半減期が延長し、見かけの全身クリアランスが減少した。

8.肝機能障害患者

  1. ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績40)
    ドルテグラビルは主に肝臓で代謝されて排泄される。中等度の肝機能障害(8例、Child-Pugh分類:B)を有する患者にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した。その結果、中等度の肝機能障害患者における薬物動態は健康成人と同様であったことから、中等度の肝機能障害に対してドルテグラビル製剤の用量調節の必要はない。なお、重度の肝機能障害患者でのドルテグラビルの薬物動態に及ぼす影響については検討していない。
  2. アバカビル硫酸塩単独投与での成績41)
    軽度の肝障害(Child-Pugh 分類の合計点数:5)を有するHIV感染症患者におけるアバカビルの薬物動態を検討した結果、AUC及び消失半減期は肝障害を有さないHIV感染症患者のそれぞれ1.89倍及び1.58倍であった。代謝物の体内消失速度にも変化が認められたが、AUCは肝障害による影響を受けなかった。なお、これら患者に対する推奨投与量は明らかでない。
  3. ラミブジン単独投与での成績42)
    中等度及び重度の肝障害を有する患者における成績より、ラミブジンの薬物動態は、肝障害によって重大な影響を受けないことが示されている。

9.その他の要因

  1. 性別
    健康成人にドルテグラビル250mg(懸濁液)を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータは、男性(17例)よりも女性(24例)の方がわずか(最大約20%)に高い傾向がみられた。
    成人HIV感染症患者を対象とした後期第II相及び第III相試験での母集団薬物動態解析の結果、性別はドルテグラビルの曝露量に対して臨床的な影響を及ぼさなかった。
    アバカビル及びラミブジンに対しても、性別は臨床的な影響を及ぼさなかった。
  2. 人種
    成人HIV感染症患者を対象とした後期第II相及び第III相試験での母集団薬物動態解析の結果、人種はドルテグラビルの曝露量に対して臨床的な影響は認められなかった。
    アバカビル及びラミブジンに対しても、人種は臨床的な影響を及ぼさなかった。
  3. B型肝炎及びC型肝炎のウイルス重複感染患者
    C型肝炎ウイルス重複感染患者を対象とした母集団薬物動態解析の結果、C型肝炎ウイルス重複感染はドルテグラビルの曝露量に対して臨床的な影響を及ぼさなかった。なお、B型肝炎ウイルス重複感染患者におけるドルテグラビル製剤投与時の薬物動態データは限られている。
    アバカビル及びラミブジンに対して、B型肝炎及びC型肝炎ウイルス重複感染が薬物動態に及ぼす影響については検討されていない。

10.相互作用

  1. ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績
    ドルテグラビル製剤を併用薬剤と投与した時の薬物動態パラメータの変化を、表-5及び表-6に示す。
    表-5 併用薬剤の薬物動態に及ぼすドルテグラビルの影響
    併用薬剤及び用量 ドルテグラビル製剤の用量 例数 ドルテグラビル製剤併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
    Cτ又はC24 AUC Cmax
    エチニルエストラジオール
    0.035mg
    50mg
    1日2回
    15 1.02
    (0.93,1.11)
    1.03
    (0.96,1.11)
    0.99
    (0.91,1.08)
    メサドン 20-150mg 50mg
    1日2回
    11 0.99
    (0.91,1.07)
    0.98
    (0.91,1.06)
    1.00
    (0.94,1.06)
    ミダゾラム 3mg 25mg
    1日1回
    10 0.95
    (0.79,1.15)
    Norelgestromin
    (国内未発売)
    0.25mg
    50mg
    1日2回
    15 0.93
    (0.85,1.03)
    0.98
    (0.91,1.04)
    0.89
    (0.82,0.97)
    リルピビリン
    25mg 1日1回
    50mg
    1日1回
    16 1.21
    (1.07,1.38)
    1.06
    (0.98,1.16)
    1.10
    (0.99,1.22)
    テノホビル
    300mg 1日1回
    50mg
    1日1回
    15 1.19
    (1.04,1.35)
    1.12
    (1.01,1.24)
    1.09
    (0.97,1.23)
    メトホルミン
    500mg 1日2回
    50mg
    1日1回
    14 1.79
    (1.65,1.93)
    1.66
    (1.53,1.81)
    メトホルミン
    500mg 1日2回
    50mg
    1日2回
    14 2.45
    (2.25,2.66)
    2.11
    (1.91,2.33)
    表-6 ドルテグラビルの薬物動態に及ぼす併用薬剤の影響
    併用薬剤及び用量 ドルテグラビル製剤の用量 例数 他剤併用時/非併用時のドルテグラビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
    Cτ又はC24 AUC Cmax
    アタザナビル
    400mg
    1日1回
    30mg
    1日1回
    12 2.80
    (2.52,3.11)
    1.91
    (1.80,2.02)
    1.50
    (1.40,1.59)
    アタザナビル/リトナビル
    300/100mg
    1日1回
    30mg
    1日1回
    12 2.21
    (1.97,2.47)
    1.62
    (1.50,1.74)
    1.33
    (1.25,1.42)
    テノホビル
    300mg
    1日1回
    50mg
    1日1回
    15 0.92
    (0.82,1.04)
    1.01
    (0.91,1.11)
    0.97
    (0.87,1.08)
    ダルナビル/リトナビル
    600/100mg
    30mg
    1日1回
    15 0.62
    (0.56,0.69)
    0.78
    (0.72,0.85)
    0.89
    (0.83,0.97)
    エファビレンツ
    600mg
    1日1回
    50mg
    1日1回
    12 0.25
    (0.18,0.34)
    0.43
    (0.35,0.54)
    0.61
    (0.51,0.73)
    エトラビリン
    200mg
    1日2回
    50mg
    1日1回
    15 0.12
    (0.09,0.16)
    0.29
    (0.26,0.34)
    0.48
    (0.43,0.54)
    エトラビリン+ダルナビル/リトナビル
    200mg+600/100mg
    1日2回
    50mg
    1日1回
    9 0.63
    (0.52,0.76)
    0.75
    (0.69,0.81)
    0.88
    (0.78,1.00)
    ホスアンプレナビル/リトナビル
    700mg/100mg
    1日2回
    50mg
    1日1回
    12 0.51
    (0.41,0.63)
    0.65
    (0.54,0.78)
    0.76
    (0.63,0.92)
    ロピナビル/リトナビル
    400/100mg
    1日2回
    30mg
    1日1回
    15 0.94
    (0.85,1.05)
    0.97
    (0.91,1.04)
    1.00
    (0.94,1.07)
    乾燥水酸化アルミニウムゲル/水酸化マグネシウム
    20mL
    50mg
    単回
    16 0.26
    (0.21,0.31)
    0.26
    (0.22,0.32)
    0.28
    (0.23,0.33)
    乾燥水酸化アルミニウムゲル/水酸化マグネシウム
    20mL
    投与後2時間
    50mg
    単回
    16 0.70
    (0.58,0.85)
    0.74
    (0.62,0.90)
    0.82
    (0.69,0.98)
    総合ビタミン剤
    1錠 1日1回
    50mg
    単回
    16 0.68
    (0.56,0.82)
    0.67
    (0.55,0.81)
    0.65
    (0.54,0.77)
    オメプラゾール
    40mg 1日1回
    50mg
    単回
    12 0.95
    (0.75,1.21)
    0.97
    (0.78,1.20)
    0.92
    (0.75,1.11)
    prednisone
    (国内未発売)
    60mg 1日1回
    (漸減)
    50mg
    1日1回
    12 1.17
    (1.06,1.28)
    1.11
    (1.03,1.20)
    1.06
    (0.99,1.14)
    リファンピシンa
    600mg 1日1回
    50mg
    1日2回a
    11 0.28
    (0.23,0.34)
    0.46
    (0.38,0.55)
    0.57
    (0.49,0.65)
    リファンピシンb
    600mg 1日1回
    50mg
    1日2回b
    11 1.22
    (1.01,1.48)
    1.33
    (1.15,1.53)
    1.18
    (1.03,1.37)
    リファブチン
    300mg 1日1回
    50mg
    1日1回
    9 0.70
    (0.57,0.87)
    0.95
    (0.82,1.10)
    1.16
    (0.98,1.37)
    リルピビリン
    25mg 1日1回
    50mg
    1日1回
    16 1.22
    (1.15,1.30)
    1.12
    (1.05,1.19)
    1.13
    (1.06,1.21)
    Tipranavir
    (国内未発売)/リトナビル
    500/200mg
    1日2回
    50mg
    1日1回
    14 0.24
    (0.21,0.27)
    0.41
    (0.38,0.44)
    0.54
    (0.50,0.57)
    テラプレビル
    750mg 8時間ごと
    50mg
    1日1回
    15 1.37
    (1.29,1.45)
    1.25
    (1.20,1.31)
    1.19
    (1.11,1.26)
    Boceprevir
    (国内未発売)
    800mg 8時間ごと
    50mg
    1日1回
    13 1.08
    (0.91,1.28)
    1.07
    (0.95,1.20)
    1.05
    (0.96,1.15)
    カルバマゼピン
    300mg 1日2回
    50mg
    1日1回
    14 0.27
    (0.24,0.31)
    0.51
    (0.48,0.55)
    0.67
    (0.61,0.73)

    a ドルテグラビル50mg1日2回投与とリファンピシンを併用したドルテグラビル50mg1日2回投与との比較

    b ドルテグラビル50mg1日1回投与とリファンピシンを併用したドルテグラビル50mg1日2回投与との比較

  2. アバカビル硫酸塩単独投与での成績8),43)
    アバカビルの主要代謝酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼ/アルデヒドデヒドロゲナーゼ系への阻害効果をin vitro試験において検討した結果、アバカビル自身、これらの酵素を阻害しなかった。
    ヒト肝スライスを用いたin vitro試験において、HIVプロテアーゼ阻害剤であるアンプレナビルはアバカビルの代謝を阻害しなかった。
    アバカビルの薬物動態に及ぼす併用薬剤の影響を表-7に、併用薬剤の薬物動態に及ぼすアバカビルの影響を表-8に示す。
    表-7 アバカビルの薬物動態に及ぼす併用薬剤の影響
    併用薬剤及び用量 アバカビル製剤の用量 例数 アバカビル併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
    CLss/F AUC Cmax
    メサドン
    40mg
    アバカビル
    600mg1日2回
    24 1.22
    (1.06-1.42)
    エタノール
    0.7g/kg
    アバカビル
    600mg単回
    24 1.41
    (1.35-1.48)
    1.15
    (1.03,1.28)
    表-8 併用薬剤の薬物動態に及ぼすアバカビルの影響
    併用薬剤及び用量 アバカビル製剤の用量 例数 他剤併用時/非併用時のアバカビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
    CL/F AUC Cmax
    メサドン
    40mg
    アバカビル
    600mg1日2回
    24 1.18
    (0.96,1.43)
    0.85
    (0.70-1.04)
    0.65
    (0.53,0.80)
  3. ラミブジン単独投与での成績
    併用薬剤の薬物動態に及ぼすラミブジンの影響を表-9に示す。
    表-9 併用薬剤の薬物動態に及ぼすラミブジンの影響
    併用薬剤及び用量 ラミブジン製剤の用量 例数 他剤併用時/非併用時のラミブジンの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
    CL/F AUC CLr
    トリメトプリム/スルファメトキサゾール
    160/800mg/日
    5日間
    ラミブジン
    300mg単回
    14 0.70
    (0.62,0.76)
    1.43
    (1.32,1.55)
    0.65
    (0.54,0.78)

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臨床成績

<外国人における成績>

海外で実施された抗HIV薬による治療経験のない患者、及び抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない患者を対象とした4つの検証試験の概要は以下のとおりである。

1.抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象とした二重盲検比較試験(SINGLE:ING114467)44)

抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者833例を対象とした二重盲検比較試験において、ドルテグラビル50mg(1日1回投与)とアバカビル/ラミブジンの併用投与群(ドルテグラビル投与群)に414例、エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビン投与群(対照群)に419例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の81%に対して、ドルテグラビル投与群では88%であった。ウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の5%及び対照群の6%で認められた。また、投与96週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の72%に対して、ドルテグラビル投与群では80%であった。ウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の7%及び対照群の8%で認められた。さらに、投与96週後以降に非盲検下で継続投与を行った結果、144週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ドルテグラビル投与群では71%、対照群では63%であった。ウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の10%及び対照群の7%で認められた。

なお、本試験における試験成績の要約を表-10に示した。

表-10 試験成績の要約
結果 ドルテグラビル50mg1日1回

アバカビル/ラミブジン注1)
(414例)
エファビレンツ/テノホビル/
ムトリシタビン注2)
1日1回
(419例)
48週 96週 144週 48週 96週 144週
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 364例
(88%)
332例
(80%)
296例
(71%)
338例
(81%)
303例
(72%)
265例
(63%)
両群間の差注3)
(95%信頼区間)
7.4%
(2.5%,12.3%)
8.0%
(2.3%,13.8%
8.3%
(2.0%,14.6%)
ウイルス学的な
治療失敗注4)
21例
(5%)
31例
(7%)
43例
(10%)
26例
(6%)
33例
(8%)
30例
(7%)

注1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム®配合錠として1日1回投与

注2)エファビレンツ600mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg、エムトリシタビン200mgをAtripla配合錠として1日1回投与

注3)ベースラインの層別因子により調整

注4)ウイルス学的効果が不十分のため、投与48週、96週又は144週後までに試験薬剤の投与を中止した症例、若しくは48週、96週又は144週目にHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例

2.抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象とした二重盲検比較試験(SPRING-2:ING113086)45)

抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者822例を対象とした二重盲検比較試験において、ドルテグラビル50mgを1日1回投与した群(ドルテグラビル投与群)と、ラルテグラビル400mgを1日2回投与した群(ラルテグラビル投与群)に、それぞれ411例の患者が無作為に割り付けられた。このうちドルテグラビル投与群の169例及びラルテグラビル群の164例に、背景療法としてアバカビル/ラミブジンが併用投与された。その結果、アバカビル/ラミブジンが併用投与された患者において、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ドルテグラビル投与群では86%、ラルテグラビル投与群では87%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の4%及びラルテグラビル投与群の5%で認められた。また、投与96週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ドルテグラビル投与群では74%、ラルテグラビル投与群では76%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群及びラルテグラビル投与群の各5%で認められた。

なお、本試験における試験成績の要約を表-11に示した。

表-11 試験成績の要約
結果 ドルテグラビル50mg1日1回

アバカビル/ラミブジン注1)
(169例)
ラルテグラビル400mg1日2回

アバカビル/ラミブジン注1)
(164例)
48週 96週 48週 96週
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 145例(86%) 125例(74%) 142例(87%) 124例(76%)
両群間の差(未調整)
(95%信頼区間)
-0.8%
(-8.2%,6.6%)
-1.6%
(-11.0%,7.7%)
治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗注2) 7例(4%) 9例(5%) 8例(5%) 8例(5%)

注1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム®配合錠として1日1回投与

注2)投与24週後以降の検査において2回連続してHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例

3.抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象とした無作為化非盲検比較試験(FLAMINGO:ING114915)46)

抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者485例を対象とした非盲検比較試験において、ドルテグラビル50mgを1日1回投与した群(ドルテグラビル投与群)に243例、ダルナビル+リトナビル800mg+100mgを1日1回投与した群(対照群)に242例が無作為に割り付けられた。このうち484例が有効性・安全性解析対象となり、ドルテグラビル投与群の79例及び対照群の80例に、背景療法としてアバカビル/ラミブジンが併用投与された。その結果、アバカビル/ラミブジンが併用投与された患者において、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の85%に対して、ドルテグラビル投与群では90%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、対照群の3%で認められたが、ドルテグラビル投与群では認められなかった。また、投与96週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の75%に対して、ドルテグラビル投与群では82%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、対照群の4%で認められたが、ドルテグラビル投与群では認められなかった。

なお、本試験における試験成績の要約を表-12に示した。

表-12 試験成績の要約
結果 ドルテグラビル50mg1日1回

アバカビル/ラミブジン注1)
(79例)
ダルナビル+リトナビル
800mg+100mg1日1回

アバカビル/ラミブジン注1)
(80例)
48週 96週 48週 96週
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 71例(90%) 65例(82%) 68例(85%) 60例(75%)
両群間の差(未調整) (95%信頼区間) 4.9%
(-5.4%,15.1%)
7.3%
(-5.4%,20.0%)
治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗注2) 0例(0%) 0例(0%) 2例(3%) 3例(4%)

注1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム®配合錠として1日1回投与

注2)投与24週後以降の検査において2回連続してHIV-1 RNA量が200copies/mLを上回った症例

抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない成人HIV感染症患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験(SAILING:ING111762)47)

抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない成人HIV感染症患者715例を対象とした二重盲検比較試験において、背景療法を併用してドルテグラビル50mgを1日1回投与した群(ドルテグラビル投与群)と、背景療法を併用してラルテグラビル400mgを1日2回投与した群(ラルテグラビル投与群)に、それぞれ354例及び361例の患者が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ラルテグラビル投与群の64%に対して、ドルテグラビル投与群では71%であった。

なお、本試験における試験成績の要約を表-13に示した。

表-13 試験成績の要約
結果 ドルテグラビル50mg1日1回

背景療法注1)
(354例)注2)
ラルテグラビル400mg1日2回

背景療法
(361例)注2)
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 251例(71%) 230例(64%)
両群間の差注3) (95%信頼区間) 7.4%
(0.7%,14.2%)
ウイルス学的な治療失敗 71例(20%) 100例(28%)

注1)アバカビル600mg/ラミブジン300mg(エプジコム®配合錠)併用は8例、そのうち1例はマラビロクも併用

注2)1実施施設において、データ整合性のため4例が有効性解析から除外

注3)ベースラインの層別因子により調整

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薬効薬理

<ドルテグラビルナトリウム>

1.作用機序

ドルテグラビルはレトロウイルスの複製に必要な酵素であるHIVインテグラーゼの活性部位と結合し、DNAへの組込みの際のHIV-DNA鎖のトランスファーを阻害することにより、HIVインテグラーゼを阻害する。

2.抗ウイルス作用(in vitro)

HIV-1 BaL株及びHIV-1 NL432株に感染させた末梢血単核球では、ウイルス増殖に対するドルテグラビルの抗ウイルス活性の50%阻害濃度(IC50)は、それぞれ0.51nM、0.53nMであった。HIV-1 IIIB株に感染させたMT-4細胞にドルテグラビルを添加して4日又は5日培養した場合の抗ウイルス活性のIC50は、それぞれ0.71nM、2.1nMであった。また、精製したHIV-1インテグラーゼと前処置した基質DNAを用いたストランドトランスファー生化学アッセイフォーマットでは、抗ウイルス活性のIC50は、それぞれ2.7nM、12.6nMであった。

13種の臨床的に多様なサブタイプB分離株からのインテグラーゼ・コード領域を用いたウイルス・インテグラーゼ感染性分析法では、IC50は0.52nMであり、高い抗ウイルス活性を示した。またドルテグラビルは実験株に匹敵する抗ウイルス作用を示した。24種のHIV-1臨床分離株[グループM(サブタイプA、B、C、D、E、F、G)とグループO]と3種のHIV-2臨床分離株からなるパネル株に対する末梢血単核球分析試験では、HIV-1株のIC50は0.20nMであり、0.02〜2.14nMの範囲であった。一方、HIV-2株のIC50は0.18nMであり、0.09〜0.61nMの範囲であった。

3.薬剤耐性

ラルテグラビル[Fold Change(FC)>81]に対する遺伝子型及び表現型の耐性を有する30種の臨床分離株について、Monogram Biosciences社のPhenoSense分析を用いてドルテグラビル(FC=1.5)に対する感受性を調べた。G140S+Q148H分離株では、ドルテグラビルのFC値は3.75であり、G140S+Q148R分離株では13.3、T97A+Y143R分離株では1.05、N155H分離株では1.37であった。ラルテグラビルの投与経験のある患者から分離した705種のラルテグラビル耐性株について、Monogram Biosciences社のPhenoSense分析を用いて、ドルテグラビルに対する感受性を調べた。ドルテグラビルは、705種の臨床分離株の93.9%に対してFCが10未満であった。

抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない患者を対象としたSAILING試験(ドルテグラビル投与群354例)において、投与48週後にウイルス学的な治療失敗例の17例中4例でHIVインテグラーゼ阻害剤に耐性が認められた。これら4例中2例に特有のR263Kインテグラーゼ変異が認められ、FCの最大値は1.93であった。もう1例には、多型のV151V/Iインテグラーゼ変異が認められFCの最大値は0.92であり、残り1例には試験前からインテグラーゼ変異の存在が認められており、既にインテグラーゼ阻害剤の投与経験があるか、又はインテグラーゼ耐性ウイルスに感染したものと推定された。

HIVインテグラーゼ阻害剤に耐性を有する患者を対象としたVIKING-3試験では、投与24週後までに183例中36例でウイルス学的な治療失敗が認められた。このうち31例については、試験開始時及びウイルス学的な治療失敗時の両時点で解析用耐性データがあり、31例中16例(52%)で投与に伴う変異が認められた。確認された治療下での変異又は混合変異はL74L/M(1例)、E92Q(2例)、T97A(8例)、E138K/A(7例)、G140S(2例)、Y143H(1例)、S147G(1例)、Q148H/K/R(4例)、N155H(1例)及びE157E/Q(1例)であった。また、治療下で変異の出現が認められた16例中14例において、試験開始時又はそれ以前からQ148の変異を有していた。

<アバカビル硫酸塩>

1.作用機序48)〜50)

アバカビルは細胞内で細胞性酵素によって活性代謝物のカルボビル三リン酸に変換される。カルボビル三リン酸は天然基質dGTPと競合し、ウイルスDNAに取り込まれることによって、HIV-1逆転写酵素(RT)の活性を阻害する。取り込まれたヌクレオシド誘導体には3'-OH基が存在しないため、DNA鎖の伸長に不可欠な5'-3'ホスホジエステル結合の形成が阻害され、ウイルスのDNA複製が停止する。

2.抗ウイルス作用10),49),51)

アバカビルのHIV-1に対するIC50値はHIV-1 IIIBに対して3.7〜5.8μM、臨床分離株に対して0.26±0.18μM(8例)、HIV-1 BaLに対して0.07〜1.0μMであった。また、HIV-2に対するIC50値はHIV-2(Zy)に対して4.1μM、HIV-2 LAV-2に対して7.5μMであった。In vitroでヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)のジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、サニルブジン、テノホビル、ザルシタビン及びジドブジン、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)のネビラピン、及びプロテアーゼ阻害薬(PI)のアンプレナビルとの相加または相乗作用が認められた。また、ヒト末梢血単核球から活性化リンパ球を除いた場合に、より強い抗HIV作用を示したことから、アバカビルは静止細胞でより強く抗ウイルス作用を示すものと考えられる。

3.薬剤耐性10),50)

アバカビルに対して低感受性のHIV-1分離株がin vitro及びアバカビル投与患者から分離されており、いずれも逆転写酵素にM184V、K65R、L74V及びY115Fの変異が確認された。これらの変異を2種以上含むことにより、アバカビル感受性は1/10に低下した。臨床分離株ではM184V及びL74Vの変異が頻回に観察された。

4.交差耐性50)

アバカビルによる逆転写酵素変異を2種以上組み込んだHIV-1株のうち数種は、in vitroでラミブジン、ジダノシン及びザルシタビンに対して交差耐性を示し、一方、ジドブジン及びサニルブジンには感受性を示した。

アバカビルとHIVプロテアーゼ阻害剤とは標的酵素が異なることから、両者間に交差耐性が発生する可能性は低く、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤も逆転写酵素の結合部位が異なることから、交差耐性が発生する可能性は低いものと考えられる。

<ラミブジン>

1.作用機序52)〜54)

ラミブジンは細胞内でリン酸化され、HIVを感染させた細胞内での半減期が約12時間の5'-三リン酸化体に変換される52)。ラミブジン5'-三リン酸化体はHIVの逆転写酵素によりウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止することによりHIVの複製を阻害する53)。また、ラミブジン5'-三リン酸化体はHIVの逆転写酵素を競合的に阻害する53)。一方、in vitroで、ヒト末梢血リンパ球、リンパ球系・単球−マクロファージ系の株化細胞54)及び種々のヒト骨髄前駆細胞に対するラミブジンの細胞毒性は弱かった。

2.抗ウイルス作用54)

in vitroでのラミブジンのHIV-1(RF、GB8、U455及びIIIB)に対するIC50値は670nM以下、HIV-2 RODに対するIC50値は40nMであった54)。in vitroでアバカビル、ジダノシン、ネビラピン、ザルシタビン及びジドブジンとの相加または相乗作用が認められた。また、ラミブジンは単独で、ジドブジン耐性臨床分離株の平均p24抗原量を薬物無処置群に比べ66〜80%低下させた。

3.薬剤耐性55)〜60)

ラミブジンを含む抗HIV薬で治療を受けたHIV-1感染患者で発現するラミブジン耐性HIV-1には、ウイルス逆転写酵素の活性部位に近い184番目のアミノ酸のメチオニンからバリンへの変異(M184V)がみられる55)。このM184V変異の結果、ウイルスのラミブジンに対する感受性は著明に低下し55),56)、in vitroでのウイルスの複製能力は低下する57)。in vitroで、ジドブジン耐性ウイルスはジドブジン及びラミブジンの投与によりラミブジンに対して耐性を獲得すると、ジドブジンに対して感受性は回復する。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジン及びラミブジンを併用することにより、ジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する58)。さらに、抗HIV薬(ラミブジンを含む)の多剤併用療法はM184V変異ウイルスを有する患者と同様、抗HIV薬の治療経験のない患者においても有効性が確認されている59),60)

4.交差耐性56),58),61)〜63)

ジドブジン及びサニルブジンは、ラミブジン耐性HIV-1に対し抗ウイルス活性を維持する56),58),61)。アバカビルはM184V変異のみが認められているウイルスに対しては、抗ウイルス活性を維持する62)。また、ジダノシン及びザルシタビンは、M184V変異ウイルスに対して感受性が低下するという報告があるが、これらの感受性の低下と臨床効果の関係は明らかにされていない63)

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有効成分に関する理化学的知見

一般名
ドルテグラビルナトリウム(Dolutegravir Sodium)
化学名
Monosodium(4R,12aS)-9-{[(2,4-difluorophenyl)methyl]carbamoyl}-4-methyl-6,8-dioxo-3,4,6,8,12,12a-hexahydro-2H-pyrido[1',2':4,5]pyrazino[2,1-b][1,3]oxazin-7-olate
分子式
C20H18F2N3NaO5
分子量
441.36
構造式
構造式
性状
白色〜淡黄白色の粉末。水に溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
融点
1型結晶は約350℃で溶解と同時に分解する。
分配係数
2.16±0.01(23℃)
一般名
アバカビル硫酸塩(Abacavir Sulfate)
化学名
(-)-{(1S,4R)-4-[2-amino-6-(cyclopropylamino)purin-9-yl]cyclopenta-2-enyl}methanol hemisulfate
分子式
(C14H18N6O)2・H2SO4
分子量
670.74
構造式
構造式
性状
白色〜微黄白色の粉末である。トリフルオロ酢酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノール及びエタノール(95)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液及び希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点
約219℃(分解)
分配係数(log P)
1.20(pH7.1〜7.3、1-オクタノール/水)
一般名
ラミブジン(Lamivudine)
化学名
(-)-1-[(2R,5S)-2-hydroxymethyl-1,3-oxathiolan-5-yl]cytosine
分子式
C8H11N3O3S
分子量
229.26
構造式
構造式
性状
白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
約176℃
分配係数
-0.9(1-オクタノール/水系)

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【承認条件】

  1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 本剤を使用する場合は重篤な過敏症に留意し、過敏症の兆候又は症状が発現した場合には本剤の使用を中止する等の適切な処置をとるよう、医師に要請すること。
  3. 本剤の使用に当たっては、患者に対して本剤に関して更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中であること等を十分に説明し、インフォームドコンセントを得るよう、医師に要請すること。
  4. 海外において現在実施中又は計画中の臨床試験については、終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。
  5. 再審査期間が終了するまでの間、原則として国内の全投与症例を対象とした製造販売後調査を実施し、本剤の使用実態に関する情報(患者背景、有効性・安全性(他剤併用時の有効性・安全性を含む。)及び薬物相互作用のデータ等)を収集して定期的に報告するとともに、調査の結果を再審査申請時に提出すること。

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【包装】

トリーメク配合錠:30錠(瓶)

【主要文献及び文献請求先】

<主要文献>

  1. Song,I.,et al.:Antimicrob Agents Chemother.2011;55(7):3517-3521
  2. Song,I.,et al.:Eur J Clin Pharmacol.2014;70(10):1173-1179
  3. Song,I.,et al.:Antimicrob Agents Chemother.2014;58(11):6696-6700
  4. 社内資料:薬物相互作用に関する試験(200901)
  5. Dooley,K.E.,et al.:J Acquir Immune Defic Syndr.2013;62(1):21-27
  6. Patel,P.,et al.:J Antimicrob Chemother.2011;66(7):1567-1572
  7. 社内資料:薬物相互作用に関する試験(201167)
  8. McDowell,J.A.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,44,1686-1690(2000)
  9. 社内資料:分布に関する試験(2012N137348)
  10. Shapiro,R.L.,et al.:Antiviral Therapy,18,585-590(2013)
  11. Moodley,J.et al.:J.Infect.Dis.178,1327-1333(1998)
  12. 社内資料:第I相試験(204662)
  13. 社内資料:第I相試験(ING115381)
  14. 矢野 邦夫ほか:化学療法の領域,24,87-98(2008)
  15. 社内資料:海外第I相試験(ING114580)
  16. 社内資料:海外臨床試験(ING111521)
  17. 社内資料:海外臨床試験(ING111207)
  18. 社内資料:海外臨床試験(ING112276)
  19. Kumar,P.N.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,43,603-608(1999)
  20. McDowell,J.A.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,44,2061-2067(2000)
  21. Chittick,G.E.,et al.:Pharmacotherapy,19,932-942(1999)
  22. Pluda,J.M.,et al.:J Infect Dis,171,1438-1447(1995)
  23. van Leeuwen,R.,et al.:AIDS,6,1471-1475(1992)
  24. 社内資料:分布に関する試験(2011N119355)
  25. 社内資料:分布に関する試験(RD2008/00361)
  26. 社内資料:分布に関する試験(2011N112380)
  27. McDowell,J.A.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,43,2855-2861(1999)
  28. van Leeuwen,R.,et al.:J Infect Dis,171,1166-1171(1995)
  29. 社内資料:代謝に関する試験(RD2008/01339/00)
  30. 社内資料:代謝に関する試験(RD2008/00373/00)
  31. 社内資料:排泄に関する試験(2010N104937)
  32. 社内資料:排泄に関する試験(2013N161621)
  33. 社内資料:代謝に関する試験(RD2000/02310/01)
  34. エピビル錠 米国添付文書
  35. Jung,N.,et al.:Drug Metab Dispos,36,1616-1623(2008)
  36. Muller,F.,et al.:Biochem Pharmacol,86,808-815(2013)
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  38. Thompson.M.,et al.:Abstracts of the 12th World AIDS Conference.,Abstract 42278(1998)
  39. Heald,A.E.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,40,1514-1519(1996)
  40. 社内資料:海外第I相試験(ING113097)
  41. Raffi,F.,et al.:Abstracts of the 40th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy.,Abstract 1630(2000)
  42. Johnson,M.A.,et al.:Eur J Clin Pharmacol,54,363-366(1998)
  43. Wang,L.H.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,43,1708-1715(1999)
  44. 社内資料:海外臨床試験(ING114467)
  45. 社内資料:海外臨床試験(ING113086)
  46. 社内資料:海外臨床試験(ING114915)
  47. Cahn,P.,et al.:Lancet.2013;382(9893):700-708
  48. Faletto,M.B.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,41,1099-1107(1997)
  49. Daluge,S.M.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,41,1082-1093(1997)
  50. Tisdale,M.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,41,1094-1098(1997)
  51. Saavedra,J.,et al.:Abstracts of the 37th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy.,253(1997)
  52. Cammack,N.,et al.:Biochem Pharmacol,43,2059-2064(1992)
  53. Hart,G.J.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,36,1688-1694(1992)
  54. Coates,J.A.V.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,36,733-739(1992)
  55. Schuurman,R.,et al.:J Infect Dis,171,1411-1419(1995)
  56. Tisdale,M.,et al.:Proc Natl Acad Sci USA,90,5653-5656(1993)
  57. Back,N.K.T.,et al.:EMBO J,15,4040-4049(1996)
  58. Larder,B.A.,et al.:Science,269,696-699(1995)
  59. Maguire,M.et al.:AIDS,14,1195-1201(2000)
  60. Kuritzkes,D.R.,et al.:AIDS,10,975-981(1996)
  61. Schinazi,R.F.,et al.:International Antiviral News,8,65-91(2000)
  62. Tisdale,M.,et al.:Antimicrob Agents Chemother,41,1094-1098(1997)
  63. Miller,V.,et al.:AIDS,12,705-712(1998)

<文献請求先>

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

グラクソ・スミスクライン株式会社

〒151-8566 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
ヴィーブヘルスケア・カスタマー・サービス

TEL:0120-066-525(9:00〜18:00/土日祝日及び当社休業日を除く)

FAX:0120-128-525(24時間受付)

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【製造販売業者等の氏名又は名称及び住所】

製造販売元

ヴィーブヘルスケア株式会社

東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
http://glaxosmithkline.co.jp/viiv/index.html

販売元

グラクソ・スミスクライン株式会社

〒151-8566 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15 GSKビル
http://jp.gsk.com

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