厚生労働行政推進調査事業費補助金(エイズ対策政策研究事業)
HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班

ヴァイデックスECカプセル125/200の患者向説明文書(翻訳

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ヴァイデックスECのイラスト

商品名: ヴァイデックスECカプセル125
ヴァイデックスECカプセル200
一般名: ジダノシン
略称 : ddI
患者向説明文書(翻訳)について

これはアメリカで配布されている、患者さん向けに書かれたクスリの情報提供文書を翻訳したものです。FDAからの指示を受けて、各製薬企業が作成します。すべての抗HIV薬について作成されているわけではありません。原文をそのまま翻訳していますので、本文中には、日本で発売されていない剤形が登場したり、発売されていないクスリの名前が出てきます。私たちは、クスリを理解して頂くための、情報提供のひとつのあり方として、ホームページに掲載しました。

ヴァイデックス ECはどのような薬?

ヴァイデックス EC(バイデックス・イー・シーと読みます)は、成人のHIV(ヒト免疫不全ウイルス、AIDSの原因となるウイルスのこと)感染者の治療に、他の薬剤とともに使用する処方箋薬です。ヴァイデックス ECは、「ヌクレオシド類似化合物」と呼ばれる薬剤の一種です。HIVの増殖を抑えることで、体内におけるCD4細胞(HIV、その他の感染症と戦うのに重要な働きをする細胞)の供給を維持する働きをします。

ヴァイデックス ECを服用しても、HIV感染が治癒するわけではありません。現時点では、HIV感染を治癒する治療法はありません。ヴァイデックス ECを服用していても、他の病原菌による感染症など、HIVに関係した病気が持続する場合もあります。定期的に医師の診察を受け、少しでも医学的な問題が生じたときには報告するようにしてください。

ヴァイデックス ECはHIVに感染した患者さんのウイルスが他の人にうつるのを防ぐ薬ではありません。他の人々への感染を防ぐためには、常に安全な性行為をこころがけ、他の人々があなたの血液や体液に触れないように注意する必要があります。

ヴァイデックス ECを長期間にわたって用いた場合、ウイルスに対してどのくらい効果があるのかについては、まだ詳しいことはわかっていません。

ヴァイデックス ECには、胃酸によって薬が分解されるのを防ぐために、腸溶コーティングが施されています。薬が小腸にたどりつくと、コーティングが溶けるようになっています。

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ヴァイデックス ECを服用してはならない場合とは?

ヴァイデックス ECの有効成分であるジダノシンや不活性成分など、ヴァイデックス ECに含まれる成分に対してアレルギーがある場合には服用しないでください(パンフレットの最後にある「不活性成分」の項をご覧ください)。これらの成分のいずれかに対して、これまでにアレルギー反応を起こしたことがあると思われる場合には、医師にそのことをお伝えください。

ヴァイデックス ECについては成人を対象とした研究しか行われていませんので、小児への使用は勧められません。

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ヴァイデックス ECの服用のしかたは?
保管のしかたは?

ヴァイデックス ECは1日に1回だけ服用してください。服用量については、あなたの体重、腎臓および肝臓の機能、他に服用している薬、ヴァイデックスその他の薬剤による過去の副作用に基づいて、医師が判断します。ヴァイデックス ECは空腹時に服用してください。食べ物と一緒には服用しないでください。カプセルは開けずに、そのまま飲み込むようにします。また飲み忘れに注意してください。もし飲むのを忘れてしまったら、思い出したときにすぐ服用してください。すぐに次の服用時間がくる場合には、飲み忘れた分を1回とばして、あとは通常通りのスケジュールに従って服用を続けてください。

カプセルは密閉容器に入れ、室温で保管してください。高温になる場所は避け、子供やペットが触れないような場所に保管してください。

腎臓の病気がある場合:腎臓の機能に問題がある場合には、ヴァイデックス ECを服用している間、医師による定期的な検査を受け、腎臓の働きをチェックする必要があります。ヴァイデックス ECの用量を少なくする場合もあります。

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誰かがヴァイデックス ECを多く飲みすぎてしまったら?

ヴァイデックス ECを多く飲みすぎてしまった人がいたら直ちに医学的な処置を受けさせてください。担当の医師または中毒事故管理センターに連絡してください。

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ヴァイデックス ECを服用中、避けなければならないことは?

飲酒。ヴァイデックス EC服用中の飲酒は避けてください。膵炎(膵臓の痛みや炎症)や肝臓の障害を生じる危険性が高くなることがあります。

他の薬剤。処方箋なしに購入できる薬剤も含めて、他の薬剤を服用するとヴァイデックス ECの効果が阻害されたり、副作用が大きくなる可能性があります。医師に相談することなく、薬剤やビタミン剤、その他の健康製剤を服用するのは避けてください。

妊娠。ヴァイデックス ECがヒトの胎児に有害な影響を及ぼす可能性があるかどうかは不明です。ただし、ZERIT(スタブジン、d4Tとも言う)などのHIV治療薬とジダノシン(ヴァイデックス ECの有効成分)を併用した妊婦に重大な副作用が観察されています。妊娠中にヴァイデックス ECを使用する場合には、まず医師に相談してください。ヴァイデックス ECを服用中に妊娠した場合やこれから妊娠を考えている場合には、医師に報告してください。

授乳。動物にジダノシン(ヴァイデックス ECの有効成分)を投与すると、母乳中にジダノシンが分泌されることが複数の研究で明らかになっています。ヒトの母乳でも同様のことが考えられます。米疾病管理センター(CDC)は、母親がHIVに感染している場合、母乳による育児は避けるようにと勧告しています。そうすれば、赤ちゃんがHIVに感染する危険性が少なくなり、授乳の際に重大な副作用が生じる可能性も低くなるからです。したがって、ヴァイデックス EC服用中は、赤ちゃんへの授乳は避けてください。

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ヴァイデックス ECによる副作用として考えられるものは?

膵炎。膵炎は、死に至るおそれのある危険な膵臓の炎症です。胃痛や悪心、嘔吐が生じた場合には、直ちに医師に相談してください。これらは膵炎の徴候の可能性があります。過去に膵炎の経験がある場合には、ヴァイデックス ECによる治療を始める前に、医師にそのことを話してください。既往歴のある人はそうでない人に比べて、膵炎を生じる可能性が高くなります。また、進行期のHIV疾患の患者さんも膵炎を生じる可能性が高くなります。ただし、膵炎はHIV疾患のどの段階でも生じる可能性があります。腎臓に問題がある患者さん、飲酒の習慣がある患者さん、スタブジンまたはヒドロキシ尿素を併用している患者さんでは、発現頻度が高くなると考えられます。膵炎を生じた場合、ヴァイデックス ECの服用は中止することになります。

乳酸アシドーシス、重篤な肝腫大、肝機能不全(死亡を含む)が報告されています(妊婦を含む)。肝臓に問題があることを示す症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 著明な脱力、疲労、または苦痛
  • 通常とは異なる、あるいは予期せぬ胃部不快感
  • 寒け
  • めまい、または頭がくらくらする感じ
  • 不意に心拍がゆっくりになったり不規則になったりすること

乳酸アシドーシスは、入院加療を要する医学的な緊急事態です。

上記のいずれかの症状に気づいたり、身体の状態に変化が生じたりしたら、ヴァイデックス ECの服用を中止し、直ちに医師に連絡してください。女性や太りすぎの患者さん、他のHIV感染症治療薬を長期間使用している患者さんは、乳酸アシドーシスを生じる可能性が高くなります。ヴァイデックス ECを服用中は、肝機能をチェックするために、定期的に医師の診察を受ける必要があります。特に、大酒歴がある場合や肝臓に問題がある場合には注意が必要です。

視界の変化。ヴァイデックス ECは、眼の神経に影響を及ぼす可能性があるため、定期的に眼の検査を受ける必要があります。物の見えかたに何らかの変化が生じた場合(色覚に異常が生じたり、視界がかすんだりするような場合)には、直ちに医師に報告してください。

末梢神経障害。末梢神経障害とは、手足の神経に生じる問題です。深刻な障害が生じることもあります。手や脚のしびれ、ぴりぴりする感じ、痛みが続く場合には、直ちに医師に相談してください。

過去に末梢神経障害を経験したことがある場合には、ヴァイデックス ECによる治療を始める前に医師にその旨を告げてください。既往歴のある人はそうでない人に比べて、末梢神経障害を生じる可能性が高くなります。また、神経に作用する薬剤の投与を受けている患者さんや、進行期のHIV疾患の患者さんの場合も、発現の可能性が高くなります。しかし、末梢神経障害はHIV疾患のどの段階でも生じる可能性があります。末梢神経障害を生じた場合、ヴァイデックス ECの服用は中止することになります。服用を中止してからしばらくは症状が悪化することもありますが、その後改善します。症状が完全になくなった段階で、ヴァイデックス ECを再開するのが適切かどうかを医師とともに判断することになります。再開する場合には、低用量から始めることもできます。

他の薬剤に関して特に注意すべき点。ヴァイデックス ECと同じような副作用をもつ他の薬剤とヴァイデックス ECを併用すると、副作用の生じる可能性が高くなることがあります。例えば、膵炎や末梢神経障害、肝臓の障害を生じる可能性のある他の薬剤(スタブジンやヒドロキシ尿素など)とヴァイデックス ECを併用すると、これらの副作用が生じる可能性が高くなることが考えられます。

その他の副作用:他のHIV治療薬とヴァイデックス ECを併用する成人に最も多い副作用は、下痢、悪心、頭痛、嘔吐、発疹です。

抗レトロウイルス薬を投与されている一部の患者さんでは、体脂肪の変化が報告されています。こうした変化として、上背部や頸部(「野牛肩」)、胸部、胴回りの脂肪の増加が挙げられます。また、脚や腕、顔の脂肪が落ちてしまうこともあります。こうした体脂肪変化の原因や長期的な健康への影響は、今のところ不明です。

不活性成分

カルボキシメチルセルロース・ナトリウム12、フタル酸ジエチル、メタクリル酸コポリマー、水酸化ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム、二酸化チタン。

このお薬は、あなたの病状に合わせて処方したものです。ヴァイデックス ECを他の病状に対して用いたり、他の人にあげたりしないでください。ヴァイデックス ECも含め、薬剤はすべて子供の手の届かないところに保管してください。期限切れや不要になったヴァイデックス ECは、トイレに流すか、流しの水で洗い流して処分してください。

このパンフレットにまとめた内容には、ヴァイデックス ECについて知っておくべき事柄がすべて含まれているわけではありません。薬は、患者さん向け情報に記載された以外の目的で処方されることもあります。疑問に思うことや気になることがある場合、ヴァイデックス ECについてもっと詳しく知りたい場合は、このパンフレットのもとになった、処方に関する詳しい資料が医師や薬剤師の手元にあります。資料を読んで、医師やその他の医療専門家と相談したいと思う場合もあるかもしれません。文章にまとめたものを読んだからといって、医師との綿密な話し合いが必要なくなるというわけではありません。


Bristol-Myers Squibb Virology
Bristol-Myers Squibb Company
Princeton, NJ 08543 USA

この患者さん向け情報は、米国食品医薬品局による承認済みです。

N3522-09 1116303A9 2004年1月改訂

2004年1月付の添付文書に基づき作成。

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